
群馬銀行、TSUBASA基幹系システム共同化へ本格検討開始
ポイント
千葉銀行は20日、群馬銀行と共同で基幹系システム「TSUBASA基幹系」の共同化へ向けた検討を25年7月から開始すると発表した。既に稼働する5行に群馬銀が加わる形で、日本IBMとキンドリルジャパンも参加。25年度下期の最終合意を目指し、費用負担や新機能、耐量子暗号など最先端技術の活用を協議する。地銀のITコスト圧縮とデジタルサービス高度化を狙う。 千葉銀行は20日、群馬銀行と共同で「TSUBASAアライアンス」における基幹系システムの共同化に向け、25年7月から本格的な検討を開始すると明らかにした。対象となる「TSUBASA基幹系システム」は、千葉、第四北越、中国、北洋、東邦の5行が稼働または開発を進めており、群馬銀行の参加で6行体制に拡大する。開発パートナーには日本IBMとキンドリルジャパンが加わり、25年度下期の最終合意を目指す。
同システムはメインフレームの高い信頼性とオープン/クラウド基盤の柔軟性を組み合わせたハイブリッド構成が特徴だ。共同で機能開発や運用・保守を行うことでスケールメリットを確保し、年間数十億円規模のコスト削減と迅速な機能追加を両立する。今回の検討では開発費や運用費の負担方法、データセンターの構成、ガバナンス体制などを協議し、合意内容を各行の次期システム更改計画に織り込む方針だ。
TSUBASA基幹系は2012年の共同化合意以降、16年の千葉銀行を皮切りに17年の第四北越、中国、23年の北洋、24年の東邦と稼働行を順次拡大してきた。アライアンス全体では伊予、武蔵野、滋賀、琉球を含む10行が連携し、今後も共同化を希望する行の拡大を視野に入れる。
千葉銀行などは、人口減少や低金利で収益環境が厳しさを増す中、IT基盤を共有化し、デジタルサービス向上とコスト抑制を同時に実現する狙いだ。日本IBMは保有するAIや耐量子計算機暗号などの最先端技術を提供し、2030年代半ばに想定される量子コンピュータ時代にも耐えうるセキュリティを確立する計画。これにより、顧客接点のデジタル化やデータ利活用の高度化を推進し、地域の顧客体験の向上を図る。
添付画像一覧

×