
AlpacaTech、JPX総研データで日本株の需給構造を可視化する新分析フレーム開発
ポイント
FOLIOホールディングス傘下のAlpacaTechは、JPX総研が提供する三種類のオルタナティブデータを統合し、日本株市場を「フロー」「バランス」「プレイヤー」の三視点で解析する新フレームワーク「FBP」を発表した。需給の歪みや投資主体別動向を可視化し、戦略構築とリスク管理の精度向上を図る。 FOLIOホールディングスの子会社AlpacaTechは25日、JPX総研が有償・無償で配信するオルタナティブデータを活用し、日本株市場の見えざる構造を解明する「フロー・バランス・プレイヤー(FBP)フレームワーク」を開発したと発表した。
FBPは「売買内訳データ」「銘柄別信用取引週末残高」「投資部門別売買状況」という三つのデータセットを組み合わせ、①フロー=取引手段やモメンタム、②バランス=需給在庫と構造的な不均衡、③プレイヤー=投資主体別の資金フローという三視点で市場を立体的に分析する。株価形成の背後にある需給やセンチメントを可視化することで、従来の価格系列中心の分析では捉えにくかった市場力学を浮き彫りにする点が特徴だ。
同社が実施したバックテストでは、閑散相場での安定した買い上がりや、短期空売り勢によるモメンタム形成といった日本特有の現象を捉えた戦略が、市場平均を上回るリターンを示唆したという。また、投資主体の極端なポジション偏りを早期に検知できるため、ポートフォリオのリスク調整や過熱感の判定にも応用できる。
AlpacaTechはAIを用いた売買アルゴリズムやリスク管理ソリューションを提供しており、今回のFBPを既存プロダクトに組み込むことでアルファ創出とリスク低減を同時に図る方針だ。
JPX総研は市場データ配信基盤「J-Quants Pro」を通じて法人向けにデータ提供を拡大しており、Snowflake経由の配信も開始した。両社はFBPの普及を通じて、日本株市場の情報透明度向上と投資家層の拡大を目指す。
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