
警察官かたり詐欺が若年層に急増、現役世代5割超 トビラシステムズ5月レポート
トビラシステムズは25日、特殊詐欺・フィッシング詐欺に関する2025年5月の独自調査レポートを公開した。調査期間は5月1日から31日まで。同社の迷惑電話番号データベースへ新規登録された番号のうち、国際電話番号は57.7%と依然過半数を占めたが、前月比では4.4ポイント減少した。一方、携帯電話番号の割合は17.7%で3.8ポイント増。北米地域(国番号+1)や中国からの着信が多く、警察や通信事業者を装い自動音声を用いるケースが目立った。
SMSによるフィッシングでは、金融・決済サービスをかたる手口が47.5%と3カ月連続で伸長。宅配事業者を装うSMSは45.2%で拮抗した。特に「Mastercard」「JCB」「JACCS」をかたる送信が多数確認されたほか、5月中旬には「SBI証券」「野村證券」名義のSMSも出現した。同社は、盗み取られた認証情報を悪用した不正アクセス被害が続くため、リンクのクリックや個人情報入力を避けるよう呼び掛けている。
レポートのトピックとしてオレオレ詐欺の被害構造変化も取り上げた。警察庁統計によると、2025年に入り65歳未満の被害者が50%を超え、従来高齢者中心だった被害層が逆転。20〜30代が半数以上を占める。背景には、(1)携帯電話宛ての架電増加、(2)警察官をかたる“権威型”への手口シフト、(3)メッセージアプリや生成AIを用いた巧妙化がある。偽の逮捕状画像や制服姿の人物とのビデオ通話で恐怖心を煽り、インターネットバンキングでの送金を迫る事例も確認された。
同社は被害防止策として、電話で金銭やキャッシュカードの話が出た場合は一度通話を切る、警察がSNSやメッセージアプリで連絡することはないと認識する、不審時には家族や最寄り警察署、♯9110に相談することを推奨。また、国際電話番号からの着信拒否機能を固定電話・携帯電話で積極的に活用するよう促している。
トビラシステムズは、収集した迷惑電話・SMS情報をフィルタリングするサービスを固定電話やモバイル向けに展開し、月間約1500万人が利用。最新の詐欺SMS検知状況は同社の「詐欺SMSモニター」で公開しており、利用者にリアルタイムの脅威把握を呼び掛けている。
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