
NTTデータグループ、OpenAIと戦略的提携 日本で初のChatGPT Enterprise販売代理店へ
NTTデータグループは2025年5月1日から、米OpenAIとグローバル規模の戦略的提携を開始する。この提携により、NTTデータグループの豊富なシステム開発実績と、OpenAIの最先端生成AI技術を組み合わせ、高度かつ安全なAIエージェント等の生成AIサービスを提供する体制を整える。
本提携の目玉の一つが、NTTデータグループがOpenAIの日本初の販売代理店となり、企業向けの「ChatGPT Enterprise」の提供を開始する点だ。まずは大手企業100社に向けて、専門人材によるユースケースの創出支援など、OpenAIアクセラレーションプログラムを展開する。これにより、企業は自社固有のデータや知見を安全にAIに取り込み、業務変革や競争力強化を図れるようになる。
さらにNTTデータグループは、金融、製造、流通、ヘルスケア、公共など幅広い業界への深い知見を活かし、業種・業務特化型のAIエージェントの開発・導入を進める。最新のOpenAIモデルの事前検証や実装を先行し、業界ごとの課題に即したサービスを高品質かつ迅速に提供する狙いだ。AIエージェントによる業務の自動化や効率化が促進され、新たな労働力として機能することが期待される。
またNTTデータグループは、国内外のグループ社員約20万人を対象に生成AI人材の育成にも注力。コンサルタントなどOpenAI関連事業を推進する専門人材を育成し、導入から運用支援まで一貫したサポートを行う専門組織「OpenAI Center of Excellence(CoE)」を新設する。これにより、顧客企業内での生成AI活用の組織的文化の醸成とスムーズな普及を後押しする。
今後は日本市場を起点にスペイン、ヨーロッパ、北米、アジア太平洋地域へ展開を拡大。生成AI関連ビジネスのグローバル展開を加速し、「SmartAgent」など高度なサービスラインナップも拡充していく。NTTデータグループは2027年度末までにOpenAI関連事業で累計1,000億円規模の売上を目指すとしている。
今回の提携について、NTTデータグループは「生成AIは企業活動を根本から変革する技術。OpenAIとの連携で持続可能な社会の実現を目指す」とコメント。OpenAI側も「日本市場での大規模なChatGPT Enterprise導入は、AI活用の未来を切り開く」と協業に期待を寄せる。
今後両社は、生成AIによる業務変革を加速させるとともに、生産性向上や労働力人口減少といった社会課題の解決を視野に、幅広い業界へのAI普及と新たな価値創出に取り組んでいく方針だ。