
レンタカー事故削減へ、あいおい・トヨタレンタリース・ナビタイムが共同実証を開始
あいおいニッセイ同和損保、トヨタレンタリース札幌、ナビタイムジャパンの3社は、2025年5月26日より、レンタカー利用者による交通事故削減を図る共同実証実験を北海道で開始する。実験の中心となるのは、テレマティクス自動車保険「タフ・見守るクルマの保険NexT」アプリをベースに、外国人観光客を含むレンタカー利用者向けに機能をカスタマイズした「レンタカー版NexTアプリ」である。
今回の取り組みでは、トヨタレンタカー新千歳空港ポプラ店発着の観光客が、アプリを貸出期間中に利用。アプリは走行データからリアルタイムで安全運転の度合いをスコア化し、一定以上のスコアを獲得した利用者にはインセンティブを提供する。さらに、交通ルールをクイズ形式で提供し、外国人や普段運転に慣れていないドライバーにも知識を深めてもらえる機能や、観光コースをカーナビ上で選択できるUX向上機能も搭載している。地図やナビゲーションは日本語と英語に対応し、多様な利用者をサポートする設計だ。
近年、訪日外国人観光客数は2024年に3668万人と過去最高を記録し、コロナ禍後もレンタカー需要は急速に回復している。しかし、観光地を中心に年間5000件を超えるレンタカー事故が発生しており、安全対策が急務となっている。こうした背景を受け、3社は観光やドライブの利便性を保ちつつ、交通事故減少に向けた新たなアプローチとして、今回の実証実験を企画した。
3社は、インセンティブの有無や種類による安全運転スコアの比較検証を3カ月間実施、安全運転促進効果と事故削減への寄与を科学的に測定する。その結果をもとに、2026年度にかけて本アプリを活用したソリューションの全国展開を目指していく考えだ。レンタカー事業者のコスト負担にも配慮し、アプリ利用料金の調整なども検討する。
今回の共同実証は、テレマティクス技術とユーザーインセンティブを組み合わせることで、事故の原因となるヒューマンエラーの低減に挑むものだ。レンタカー事故対策の全国展開や、観光地での地域課題解決にも波及するモデルが構築されるか、今後の動向に注目が集まる。
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