
ネオファースト生命とNTTデータ、保険契約事務に生成AI導入で業務効率化へ
ネオファースト生命とNTTデータは2025年6月より、保険契約事務における生成AIのトライアル利用を開始する。今回の取り組みは、NTTデータがBPO業務として受託している保険契約事務を対象とし、生成AI、特にRAG(Retrieval-Augmented Generation)機能を搭載したシステムを活用することで、業務プロセスの効率化と品質向上を目指すものだ。
本トライアルでは、NTTデータが選定したユースケースをもとに、生成AIの機能性と有効性を多角的に検証する。具体的には、以下の4つの観点が挙げられる。
第一に、業務マニュアルや過去データのナレッジ検索だ。複雑な保険事務を支える多岐にわたるマニュアルや、過去の業務事例をナレッジとして素早く検索・取得することで、オペレーションの効率向上を目指す。生成AIの回答精度もこの段階で確認される。
第二に、不備内容に応じた案内文を自動で生成する。保険契約に必要な書類の不備点検や、その内容に基づく案内文作成には多くの時間と労力が割かれている。生成AIを活用することで、このプロセスを自動化し、迅速かつ正確な案内が可能になるかを検証する。
第三に、業務オペレーションにおける改善点の抽出だ。AI導入に伴う操作性やシステムの使用感を実際の業務で評価し、得られた改善点を将来的なAI活用の高度化にフィードバックする。
第四として、生成AIのさらなる適用範囲の検討も進められる。今回のトライアル結果を踏まえ、査定業務などBPO業務外への活用拡大や、将来的なAIエージェントによる自律自動化の可能性も視野に入れる考えだ。
今後は、今回のトライアル結果をもとにネオファースト生命での本格導入や、NTTデータの生成AIソリューション「LITRON」の活用も検討される。NTTデータは、AI活用によるBPOサービスの高度化と保険業界全体での生成AI活用推進を目指す。
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