
SMBCとSBIが資産運用で新会社設立 Olive最上位「Olive Infinite」とVisa Infinite国内初導入
SMBCグループとSBIグループは、総合金融サービスOliveの資産運用領域を拡充するために業務提携契約を締結した。両グループは2025年度内に出資比率三井住友フィナンシャルグループ10%、SMBC日興証券30%、三井住友銀行20%、SBIホールディングス10%、SBI証券30%の準備会社を設立し、関係当局の認可を経て2026年春に新サービスを開始する計画だ。
Oliveはアプリ上で銀行口座、決済、投資、保険などをシームレスに提供するが、今回はその最上位ランクとして「Olive Infinite」を新設する。最大の特徴は「フレキシブルコンサルティング」と名付けた資産運用支援だ。SBI証券のネット取引に、SMBC日興証券や三井住友銀行のアドバイザーによるチャット・電話・ビデオ・対面の有人相談を組み合わせ、利用者がAIチャット、専門家、店舗など複数チャネルを自由に選択できる。得意分野で選んだアドバイザーを継続指名することも可能で、オンラインの手軽さと対面の安心感を両立させる。
決済面ではVisaの最上位「Visa Infinite」を一般申込可能な形で国内で初めて導入する。メタルカード、空港ラウンジ、コンシェルジュなどプレミアム特典に加え、SBI証券でのクレジットカード積立投資に最大6%のポイント還元を付与し、日常決済と長期投資を結び付ける。さらに年間11万円相当の継続特典やアート・スポーツイベントへの招待など、体験価値も訴求する。
「Olive Infinite」以外の利用者にも機能は拡張され、マネーフォワード連携による他金融機関資産の一元管理、AIチャット相談、Oliveアプリ内で完結するSBI証券取引などを順次提供する。これによりOliveの既存570万人超の顧客は、口座から投資までを一つのアプリで完結でき、対面を希望する際は専門家に相談できる仕組みが整う。
背景には、デジタル取引を好む層の拡大と、必要時には対面で相談したいというニーズの高まりがある。SMBCとSBIは2020年の資本業務提携以降、カード積立サービスなどで協業し、月間積立額は850億円、年間1兆円規模に成長した。今回の提携は両社のデジタルプラットフォーム、対面コンサル力、ポイント経済圏を結集し、従来の「ネットか店舗か」という二者択一を解消する狙いだ。
今後は2025年7月を目途に準備会社を設立し、システム開発や人材育成を進める。両グループは「選択肢と柔軟性のある金融体験」で個人資産形成ニーズを取り込み、2027年度以降のサービス利用者数と運用残高の大幅拡大を目指すとしている。
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