
fincode byGMO、国内PSP初のMCP対応 AI対話で決済実装自在
GMOペイメントゲートウェイは19日、連結会社GMOイプシロンが提供するオンライン決済インフラ「fincode byGMO」をMCP(Model Context Protocol)に対応させたと発表した。MCPはAIエージェントが外部サービスの仕様を理解し、適切なリクエストを自律生成する共通規格で、国内の決済サービスプロバイダが採用するのは初めてとなる。
生成AIの普及に伴い、開発現場では従来のドキュメント検索やコマンド操作に代わり、自然言語でAIと対話しながらシステムを組み込む手法が広がっている。しかし決済領域ではPCI DSSなど厳格なセキュリティ要件が障壁となり、直感的なUIと高い安全性を両立する仕組みは限られていた。今回のMCP対応は、こうした課題をクリアしつつ開発負荷を大幅に削減できる点が特徴だ。
具体的には、チャット画面で「定期課金を組み込みたい」と入力すると、AIがMCPサーバー経由でfincodeの開発ドキュメントを検索し、最適なAPI仕様をJSON形式で返却。開発者はチャット上で必要な情報を確認し、そのままコード生成に進める。また「1,000円の決済URLを作成して」と指示すれば、AIがAPIを呼び出しリダイレクト型決済URLを即時発行するため、営業担当や個人事業主といった非エンジニアでも決済機能を構築できる。
fincodeはもともとシンプルなAPI設計と豊富なSDK、多彩な決済手段を備え、スタートアップの迅速な実装を支援してきた。MCP対応によりAIネイティブな開発環境に最適化されたことで、「決済の民主化」をさらに推進する構えだ。GMOペイメントゲートウェイは「AIエージェント時代に最適な決済プラットフォームを目指す」とし、今後もAI関連企業との連携や追加機能のリリースを予定する。
開発者評価版は19日から提供を開始し、利用検証に協力する企業や開発者を募集している。AIと決済インフラの融合が進む中、同社はキャッシュレス社会の加速と企業成長の両立を掲げ、国内PSPのリーディングポジションを強化する方針だ。
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