
ラクスが債権管理クラウド投入 消込・仕訳をワンストップで自動化し業務リスクを低減
ポイント
ラクスは、請求データと入金データの照合・消込を自動化するクラウドサービス「楽楽債権管理」を7月1日に販売開始した。手作業に依存しがちな債権管理業務を効率化し、月次決算の早期化やヒューマンエラーの抑制を図る。AIを活用して照合精度を高めるとともに、シリーズ製品との連携でバックオフィス全体の最適化を目指す。 ラクスは7月1日、債権管理業務を支援するクラウドサービス「楽楽債権管理」の販売を開始した。銀行から取得した入金データと請求データを自動で照合し、消込処理から仕訳データの作成までを一気通貫で行う仕組みで、経理担当者がExcelや目視で進めてきた作業を削減できる点が特徴だ。
同社が全国の経理担当者を対象に実施した調査では、約6割の企業が入金照合・消込を手作業で行っていることが判明した。なかでも「請求データと入金データを1件ずつ消込する作業」が最も負担とされ、入金データの取得や業務の属人化も課題に挙がっている。作業量が多いだけでなくヒューマンエラーのリスクも高く、月次決算の遅延要因にもなるため、効率化の必要性が高まっていた。
楽楽債権管理では、入金・請求データをシステムが自動で突き合わせ、顧客ごとに設定できる誤差許容金額内であれば即座に消込を完了させる。複数請求への一括入金や1件の請求に対する分割入金など、実務で頻発する複雑なパターンにも対応し、対象明細をクリックするだけで処理できる。各明細のステータスは一覧で可視化されるため対応漏れを防止し、債権管理の精度を高める。
消込後は仕訳データを自動作成しCSVで出力できるため、会計ソフトへの入力作業を短縮し月次決算の早期化に寄与する。AI技術の導入により照合精度を継続的に改善していく方針で、将来的には債権管理プロセス全体のさらなる自動化を目指す。
ラクスはバックオフィス向けSaaS群「楽楽クラウド」で販売管理や請求書発行などを提供してきた。新サービスの追加により、販売から請求、債権管理までをカバーする体制を整えた。同社は複数プロダクト間の連携強化を進め、企業の業務フロー全体の生産性向上を支援するとしている。
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