
JPX研、無料サイト「JPX Market Explorer」を刷新―生成AIで財務データと多言語対応を拡充
ポイント
JPX研は7月1日、無料情報サイト「JPX Market Explorer」のPoC版をリニューアルした。生成AIを活用し、企業概要ページや詳細財務データ表示を新設、任意指標によるスクリーニング機能を追加したほか、韓国語・タイ語を新たにサポート。東証全銘柄の情報を迅速かつ多言語で届け、国内外投資家の利便性向上と日本市場への理解促進を図る。 JPX研は7月1日、東京証券取引所上場企業に関する情報を多言語で提供する無料サイト「JPX Market Explorer」の概念実証(PoC)版をリニューアルしたと発表した。同サイトは生成AIプロバイダであるBridgewiseの技術を用い、アナリストのカバレッジが限定されていた銘柄を含む全上場企業の情報を日本語と英語をはじめとする多数の言語で配信している。
今回の改修では、利用者の直感的な操作性と分析効率の向上を目的に四つの主要機能を強化した。第一に、企業概要や直近決算の要点を即座に把握できる新レイアウトの「上場会社情報ページ」を追加。文章とグラフを組み合わせることで、財務状況や事業内容を視覚的に確認できる。第二に、売上高・利益・ROEなど主要指標の推移を時系列で示す「詳細財務データページ」を新設し、過去データを含む定量比較が容易になった。
第三の改良点は「柔軟なスクリーニング機能」の搭載だ。時価総額、PER、ROEなど任意の指標を組み合わせて絞り込みが可能となり、投資アイディアの創出を支援する。第四に、多言語対応をさらに拡大し、従来の10言語に加えて韓国語とタイ語を追加した。アジア圏からのアクセス増加に対応し、海外投資家の情報取得を後押しする狙いがある。
JPX Market Explorerでは、生成AIが決算短信や有価証券報告書から業績要因を抽出し、財務パフォーマンスを比較・要約する。すべてのコンテンツを複数言語で同時発信できるため、情報格差の解消と市場の透明性向上に寄与するという。JPX研は、本PoCを通じて生成AI活用が投資家の情報収集をどの程度効率化するか、また日本企業・市場全体への理解促進に資するかを検証する方針だ。
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