
NEC、生成AIで法規制対応業務の効率化と属人化解消を目指す社内実証を開始
NECは7月1日、生成AIを活用して法規制対応業務を高度化する社内実証を開始したと発表した。製造業を中心に国内外の法規制が複雑化し、法改正情報の収集から対応策策定までを人手に頼る現場では工数増大と属人化が深刻化している。法改正への対応遅れによる販売機会ロスや法令違反リスクが高まる中、同社は「仕組みで品質をつくる」体制への転換を掲げる。
今回の実証では、NEC自身をクライアントゼロとして品質管理部門に生成AI支援型プロトタイプを導入し、実業務への適合性を検証する。対象となるプロセスは法規情報の内容解釈と対応要否判定で、従来は担当者がExcelや紙資料を参照しながら経験則で判断していた工程だ。検証項目は三つ。第一にUI/UX面で、AI支援により手作業をどこまで代替・補助できるかを測定。第二にアウトプット精度として、改正法規が自部門へ与える影響の判定の妥当性、条文抽出の正確性、根拠提示の適切性を評価する。第三に業務改善効果として、属人性の解消、情報共有の効率化、対応漏れリスク低減などを検証する。
実証結果と開発中のソリューションは、7月9日から幕張メッセで開催される「第37回設計・製造ソリューション展(DMS2025)」で紹介予定だ。来場者の意見を反映しながらUI/UXやAIモデルの精度をさらに向上させ、2025年度中のサービス提供開始を目指す。実業務での効果を具体的に測定する検証メニューも用意し、導入企業が投資対効果を確認できる仕組みを整える。
NECはビジネスモデル、テクノロジー、組織・人材の三軸でDX支援を進めており、本件を価値創造モデル「BluStellar」の一環と位置づける。生成AIの活用により、企業がコンプライアンスリスクを抑えつつ迅速かつ確実に法規制へ適合できる環境づくりを目指すことで、競争力強化に寄与するとしている。
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