
NEC、電子記録債権「でんさい」次期ネットシステム構築ベンダーに選定、25年7月開発開始へ
NECは7月4日、電子記録債権ネットワークが提供する「でんさい」サービスの次期(第4次)ネットシステム構築ベンダーに選定されたと発表した。新システムは2025年7月に開発を開始し、現行の第3次システムを全面刷新する。
でんさいネットは2013年にサービスを開始し、紙の手形・小切手に伴う事務負担やリスクの軽減を図ってきた。政府は「手形・小切手の利用枚数ゼロ」を2026年度末までに達成する目標を掲げており、今回の刷新はそのインフラを支える位置付けとなる。選定にあたり、NECは2024年11月から本格稼働した「でんさいライトシステム」で培った経験と、金融機関向けに展開する「BluStellar Modernization 金融機関向けモダナイゼーションプログラム」を適用する。
新システムでは、従来のモノリシック設計を機能単位で細分化した「マイクロサービスアーキテクチャ」を採用。これにより機能追加や修正の迅速化を図り、将来要件への柔軟な対応を可能にする。データベース関連機能はオンプレミス環境に、アプリケーション関連機能はクラウド環境に配置するハイブリッド構成を採ることで、ミッションクリティカル基盤に求められる堅牢性とシステム拡張性を両立させる。
さらに、分散配置された各サービスの稼働状況を常時取得し、リアルタイムで把握するレジリエンス強化策を実装。障害発生時には迅速な影響範囲の特定と原因調査を可能にし、早期復旧を実現するとしている。
新基盤は、電子記録債権の記録・流通を担う社会インフラとしての安定運用に加え、手形・小切手電子化に伴う金融機関の新サービスや事務効率化にも活用される見通しだ。
【2025年7月8日20:00追記】
7月7日に記事を公開した当初、「2025年7月に運用開始」としておりましたが、「2025年7月に開発開始」の誤りでした。上記記事のタイトル・内容は修正済です。
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