
NEC、金融20社と「Agentic AI共同研究会」発足 生成AI活用を業界横断で検証
ポイント
NECは地域・系統金融機関20社と「Agentic AI共同研究会」を立ち上げ、2025年7月から月次で生成AIの業務適用を共同検証する。Azure OpenAIや自社生成AI「cotomi」を用い、ユースケース策定、AI成熟度診断、知見共有を遂行。2026年2月までに成果をホワイトペーパー化し、金融DXと社会課題解決につなげる狙い。 NECは、地域金融機関や系統金融機関20社とともに生成AIの安全かつ実践的な活用を目指す「Agentic AI共同研究会」を発足し、初会合を2025年7月30日に開いた。ChatGPTの登場以降、生成AIは汎用業務から業種特化業務へ活用範囲が広がる一方、情報統制やガバナンスなど未解決の課題も多い。同研究会はこうした課題を業界横断で抽出し、効率的・効果的に解決策を導き出すことを狙いとしている。
本研究会は、昨年度に15行が参加した「地域金融機関 生成AI共同研究会」の第2期に位置付けられ、愛媛銀行、大垣共立銀行、農林中央金庫、横浜銀行などが参加行に加わった。活動期間は2025年7月末から2026年2月末までで、月次開催を予定する。
活動は①共同検証、②活用高度化、③ナレッジ共有の三本柱で構成する。共同検証ではMicrosoft Azure OpenAI ServiceとNEC開発の生成AI「cotomi」を活用し、自律型エージェントによる融資稟議、資産運用提案、コンプライアンス文書作成などのユースケースを策定。実運用での効果とリスクを測定し、生成AIの最適な導入手法を検討する。活用高度化では、NEC独自のAI成熟度診断で各行の導入フェーズを評価し、導入順序や運用指針を策定する。ナレッジ共有では月次会合で成果や失敗例を開示し、再現可能なベストプラクティスを構築する。
得られた成果はホワイトペーパーとして公開し、金融業界全体のDX推進に資する情報発信を行う計画だ。NECは、生成AIと自律型エージェントの活用を金融業務に定着させることで、業務効率化だけでなく地域経済の活性化や社会課題の解決にも貢献するとしている。
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