
三菱UFJ銀行と富士通が健康予防で協業 PHR活用エコシステム構築
三菱UFJ銀行と富士通は8月1日、健康寿命の延伸と企業の健康経営促進を目的に、健康予防領域での協業に関するMOUを締結した。両社は事業共創とネットワークを活用し、パートナー企業との連携によるデータドリブンなサービス創出とエコシステム確立をめざす。
国内では高齢化や生活習慣病の増加に対し、PHRなど多様なライフログデータを活用したサービスが乱立する一方、データ連携や活用ルールの統一が進んでいない。そこで三菱UFJ銀行の事業支援力と富士通のシステム開発・データ利活用の知見を組み合わせ、運動・食事・睡眠などのデータを安全に収集し、個々の行動変容を支援するAIを開発する計画だ。
具体的には、富士通のデータプラットフォーム上でライフログを解析し、個人の特性に適合した運動・食事プランを提示するほか、脱落防止AIにより継続的な運動習慣をサポートする。ウェルビーイング向上や従業員パフォーマンス改善を目指す企業に対し、ビジネスマッチングや資金面を含む事業支援も行う。
MOU締結に先立ち、両社は7月7日からスポーツ科学を取り入れたジム運営会社、アスリート向け宅食サービスのスタートアップと共同で「運動×食」をテーマにした実証実験を開始した。拠点は三菱UFJフィナンシャル・グループと三菱UFJ銀行が設立したオープンイノベーション拠点「MUIC Kansai」で、トレーニング記録や宅食利用状況を分析し、サービスの有効性を検証している。
三菱UFJ銀行は、本協業を通じて少子高齢化や産業育成、イノベーション支援といった社会課題の解決を掲げる。一方、富士通はプラットフォーム上で生活データやライフログをつなぎ、生活者一人ひとりにパーソナライズドされたサービスを提供できる環境の確立を目指す。両社は、今後もパートナー企業を公募しながら、ガイドライン策定やデータ連携の標準化にも取り組み、健康予防市場の活性化と新規ビジネス創出を促進するとしている。
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