
Will Smartと常陽銀行が協業、茨城の交通空白解消へデジタル活用
Will Smartは8月8日、常陽銀行と7月23日付で協業に関する基本合意書を締結したと発表した。両社はデジタルを活用した持続可能な事業モデルの検討を通じ、交通空白の解消と地域交通の最適化を進め、茨城県の地域活性化に取り組む方針である。
まず笠間市を対象に、地域・行政・企業の共創体制を構築し、交通データの分析・活用基盤を整備する。あわせて、一般ドライバーが参加する公共ライドシェアの有効性を検証する実証運行を2025年内の実施を目指して準備を進める。今回の取り組みは、常陽銀行が2024年度に開催した新事業協創プログラム「NexusBridge2024」で採択されたアイデアに基づく。
背景には、タクシーや路線バスのドライバー不足が全国的に深刻化し、人口減少や高齢化が進む地域で路線の縮小・廃止が相次ぐ実情がある。移動手段の不足は、地域経済や医療・教育へのアクセス、コミュニティ維持にも影響する課題とされる。両社は、Will Smartのモビリティ分野におけるデジタル化の企画・開発・運用の知見と、常陽銀行の地域ネットワークと信頼関係を組み合わせ、持続可能な地域交通システムの実現を目指す。
役割分担として、Will Smartは自治体向け交通政策の知見、交通空白地でのデジタル活用による公共ライドシェア導入、データ収集・活用技術を提供する。常陽銀行は、自治体や地元事業者への提案、地域ネットワークを生かした社会実装の支援、モビリティ関連サービスへの参入可能性の検討を担う。
今後は笠間市でのデータ収集・分析体制の構築に着手し、2025年の実証に向けた準備を進める計画だ。本プロジェクトで得た知見は、地域金融機関と技術企業の協業モデルとして、同様の課題を抱える地域への展開も視野に入れる。交通空白の解消や移動弱者の生活基盤確保、地域コミュニティの維持・活性化を通じ、「誰もが安心して住み続けられるまちづくり」を目指すとしている。
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