PKSHA、生命保険の支払査定をAIで最適化 新ソリューション提供開始
PKSHAは、生命保険会社の保険金支払査定プロセスをAIで支援する「査定支援AIソリューション」の提供を2025年10月に開始した。生命保険業界向けの統合ソリューション群「PKSHA AI Suite for Life Insurance」を拡大・強化し、データ入力から査定ルートの最適化、担当者の業務支援まで、手作業が多かった一連の工程の改善を目指す。査定担当者のノウハウをAIが継承して社内で共有することで、知識の属人化を避け、業務の品質と効率の向上を図るとしている。
保険金支払査定は、多様な請求書類の入力や、商品ごとに異なる複雑な査定基準に基づく判断など、人の手を要する工程が多かった。手作業は時間を要するうえ、入力ミスや担当者ごとの判断のばらつきの要因となっていた。自動査定システムを導入しても、ルール変更の累積でシステムが複雑化し、かえって業務効率が低下するケースもあったという。その結果、人手が必要と判断された案件の知見が組織に蓄積されにくく、属人化と生産性低下を招いていた。
新たに提供する査定支援AIは、「データ化」「コード化」「自動査定」「人的査定」という分断されがちな工程を連結し、連続したプロセスとして運用できるようにする。日々の査定業務から学習し、より効率的な査定ルートや自動化ルールを提案するほか、業務マニュアルの更新案やソリューション機能の改善案も提示し、プロセス全体の継続的な高度化を支援する。これにより、システムや手順を常に最新かつ最適な状態に保つことを狙う。既に提供中のデータ入力支援「PKSHA AI Powered Data Entry」と連携することで、データ入力から査定完了までを一気通貫で構築できるとしている。
PKSHAは、今回の支払査定支援に加え、契約の引受査定や保全など主要プロセスへの展開を進める方針を示す。さらに、各プロセスで蓄積したデータをマーケティングにも活用し、新商品開発や顧客体験の向上、生命保険事業のトップライン向上への貢献を見込む。PKSHAは業界特化型の統合パッケージ「PKSHA AI Suite」を複数の産業向けに展開しており、ソリューション強化を継続して日本の主要産業のDXを支援するとしている。
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