TISとTorus、カード収益改善支援を提供開始 国内初の国際ブランド取引特化データ分析
TISインテックグループのTISとTorusは2025年11月10日、国際ブランドカードの取引データ分析でカード事業者の収益改善を支援する「カードイシュア・アクワイアラ向け収益改善支援サービス」の提供開始を発表した。国際ブランドカード取引に特化したデータ分析サービスとして国内初。手数料構造の可視化と最適化を狙う。協業ではTISが導入支援、Torusがデータ分析と改善提案を担う。
サービスはSaaS型で、イシュア・アクワイアラがトランザクションデータや国際ブランドからのインボイスなど所定データを連携すると、ダッシュボード形式の収益分析レポートで結果を提示する。国際ブランドや決済ネットワークの収益構造に精通した専門家が課題特定を支援し、改善施策の立案をサポートする。生成AIを活用し、会話形式で必要データの抽出が可能だ。
主要機能は2点で、国際ブランドのインボイスを分析・視覚化して収益最適化に向けたアドバイスを行う「カードネットワークインボイス分析」と、取引ごとのカードネットワーク手数料を日次で予測し収益を可視化する「トランザクション分析」だ。提供開始に先立ち、2025年1月にオリエントコーポレーションへ先行導入し、収益改善効果を確認したとしている。
背景には決済手段の多様化や市場ニーズ変化に伴う競争激化があり、従来手法では単独での収益最適化が難しくなっているという。TISはクレジットカード基幹システムで国内約50%、ブランドデビット関連で80%超のシェアを持ち、Torusはヨーロッパを中心に33カ国での導入実績を有する。
両社は国内での導入を推進し、2030年度中に30社の採用を目指す。2026年度以降はTISのグローバルネットワークを活用し、ASEAN諸国への展開も視野に入れるとしている。
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