富士通、保険基幹の次世代基盤「Japan Edition」を国内提供開始
富士通は、保険業界の基幹業務を支える次世代プラットフォーム「Fujitsu Cloud for Insurance Japan Edition」を、SAP Fioneerとの戦略的パートナーシップに基づき開発し、2025年11月末より日本国内で提供開始すると発表した。グローバルで提供される「SAP Fioneer Cloud for Insurance」を基盤に、日本の規制要件や商習慣へ対応する機能やサービスを統合し、商品管理、契約管理、保険金支払いなどをEnd to Endで支えるオールインワンの基盤だ。
本プラットフォームは、SAPの「SAP Business Technology Platform」上で稼働し、導入から運用まで富士通が国内で支援する。「Uvance for Finance」として提供され、日本の保険会社の業務改善とビジネス変革を後押しする。日本の保険商品構造に沿った商品テンプレートや、見積書作成から申込書発行、満期管理までの標準業務プロセス、法規制対応を備える。自動車保険向けには、等級制度や各種割増引に対応するカスタムアプリケーション、保険会社や代理店向けの統合インターフェースによるフロント画面、外部連携データ作成などのアドオン機能を提供し、迅速な実装を支援する。
現代の保険業界では、テクノロジーの進化や少子高齢化、デジタルネイティブ世代の登場、FinTechの参入などにより競争環境が急変している。老朽化した既存システムやブラックボックス化、IT人材不足、ガバナンス強化といった課題に対し、世界標準の基幹プラットフォーム導入が進む一方、日本市場特有の要件へのカスタマイズ負担が障壁となっていた。今回のJapan Editionは、この課題を解消する狙いがある。
初弾は、保険種目を問わず用いる言語設定などの共通機能に加え、代理店型保険とネット型保険の双方でニーズが高い自動車保険向け機能を中心に展開する。標準搭載を拡充することでカスタマイズを最小化し、国内サポートによりメンテナンシビリティの向上を図る。また、非競争領域の業務とシステム運用を標準基盤に集約することでTCOの削減を見込む。富士通は今後、自動車保険にとどまらず多様な保険種目への対応を広げ、商品・チャネル・プロセスの変革やガバナンス強化を推進するとしている。
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