JCBと日本IBMがAI提携 生成AIで基幹システム開発を加速
ポイント
JCBは12月17日、日本IBMとAIパートナーシップを締結した。日本IBMのコンサルティング力とテクノロジーを活用し、生成AIでJCBの基幹システム開発を変革する。watsonxを用い、設計・開発・テストの全工程にAIを組み込み、一部で約20%の効率化を達成。COBOLコードやテストケース、500超の提携先に準拠したテストデータ生成などを進め、今後は自然言語での要件定義やコードレビューにも拡張する方針だ。 JCBは12月17日、日本IBMとAIパートナーシップを締結したと発表した。日本IBMが持つコンサルティング力とテクノロジーの知見を活用し、JCBのシステム分野でAIによる変革を進める。両社はAIを「開発の共同パートナー」と位置づけ、品質・スピード・コストの観点で効率化を追求し、次世代のIT開発モデル確立を目指す。
JCBは国内外の主要業務を支える複数の基幹システムで、日本IBMの生成AI技術であるwatsonxを活用したIT開発に本格着手している。設計から開発、テストに至る全工程に生成AIを組み込み、従来の人手中心の開発スタイルを見直すことで、生産性向上と効率化を推進する方針だ。
具体的には、外部設計書を基に高精度なプログラム設計書とCOBOLコードを生成する取り組みを進める。加えて、単体テストケースの網羅的生成にとどまらず、基幹システムの品質要求に対応するブラックボックス観点のテストケースを補強する。さらに、500を超える提携先ごとのI/F仕様や業界規制に準拠したテストデータを自動生成することで、検証工程の効率化と信頼性向上を図る。
これらの取り組みにより、一部システムでは設計からテスト工程において約20%の開発効率化を達成しているという。JCBはこの成果を踏まえ、生成AIを活用した開発革新を次期システム更改や他システム開発へと拡張する計画である。
今後は、自然言語による要件定義やコードレビューなど、より高度なAI活用にも取り組む。両社は、AIを中核とする開発プロセスの高度化を進めることで、金融IT開発の未来創造に向けた体制を強化していくとしている。
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