三菱UFJ銀行、OCEANにPrivate AI導入 非構造化データ活用を加速
Private AIは12月18日、MUFGのビッグデータ基盤「OCEAN」において、Private AIのデータ秘匿化ソリューションが正式採用されたと発表した。メール、コールセンター通話記録、社内ドキュメント、PDF、チャットログなどの非構造化データに含まれる個人情報(PII)や機密情報を自動で高精度に検出・秘匿化し、安全に「OCEAN」へ連携できるようにする。
本導入により、全社データレイクでの横断分析に加え、非構造化データを直接用いた生成AIや業務AIの活用までを、安全性を確保した形で推進可能となる。Private AIの特長は、クラウドにデータを送信せず、オンプレミスやクローズド環境でリアルタイムに個人情報を秘匿化できる点にあり、「OCEAN」の厳格なデータガバナンスを維持しながら高度な分析・AI基盤の展開を支える。
正式採用に先立ち実施した技術検証では、実業務を想定した多様な非構造化ファイルを対象に評価を行い、実運用に耐える匿名化性能を確認した。特に、氏名、住所、電話番号、口座番号、保険証番号など、金融機関で重要度の高い情報カテゴリにおいても実運用レベルの性能が示されたという。
今後は「OCEAN」への適用を起点に、コールセンター業務の高度化、不正検知・リスク管理の高度化、社内ナレッジ活用の促進など、複数領域への展開を予定する。安全性と生産性の両立を図り、次世代データ基盤の構築を目指す。
Private AIは2019年に設立され、独自の機械学習アルゴリズムにより52以上の多言語で50種類以上のPIIを秘匿化する。AI運用やデータ分析時の個人情報保護法やGDPRへの対応を、個人識別符号を含めて網羅的にリアルタイム処理できる点を特徴とする。日本には2023年9月に進出し、プライバシー分野のCool Vendorsに選出されている。
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