
JCBとAdyen、クレジットカード情報のトークン化で決済セキュリティを強化
JCBとAdyenは2025年5月13日、オンライン加盟店向けに「COFトークン(Card-On-File Token)」の提供を開始したと発表した。クレジットカード番号のトークン化を通じて、オンライン決済のセキュリティ強化と利便性向上を図る。
COFとは、加盟店がカード会員の同意を得て保管するカード番号や有効期限などの決済情報を指す。COFトークンは、これらの情報を匿名化された安全な数字(ペイメントトークン)に置き換えることで、加盟店が機密性の高いカード番号を直接保管せずに済むようにする仕組みである。これにより、情報漏洩時のリスクを低減し、安全な決済環境を実現する。
また、トークン化された情報は常に最新のカード情報に紐づけられるため、カード会員が加盟店に保管された決済情報を更新する必要がなくなる。これにより、スムーズな決済が可能となり、決済の承認率向上にも寄与する。
近年、キャッシュレス決済の普及やオンライン取引の増加に伴い、クレジットカードの不正利用が増加傾向にある。特に、不正利用被害額のうちカード番号盗用によるものが9割以上を占めており、番号盗用の抑止が重要な課題となっている。このような背景から、COFトークンの導入は、セキュリティ対策として有効な手段とされている。
JCBは、今回のAdyenとの協業を皮切りに、国内外でのCOFトークンの導入を本格的に進めていく方針を示している。また、Adyenは、モバイル決済を含む幅広い決済プラットフォームにおいて、トークナイゼーション技術を提供し、顧客のセキュリティと承認率のさらなる向上を図るとしている。
今後、COFトークンの普及が進むことで、オンライン決済におけるセキュリティと利便性の両立が期待される。金融機関やIT業界にとっても、注目すべき動向となりそうだ。
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