
貿易デジタルデータ活用でマネロン防止と経済安全保障の強化へ
ポイント
近畿大学とNTTデータ、NTTデータ ルウィーブは、貿易デジタルデータを活用したマネーロンダリング防止(TBML)および経済安全保障対策の有効性を共同研究で実証した。金融機関などが貿易プラットフォーム上のデータを活用することで、従来の確認作業を大幅に効率化し、業務負荷は約20%削減できることも明らかとなった。 NTTデータ、NTTデータ ルウィーブ、近畿大学は5月16日、貿易デジタルデータの活用がマネーロンダリング防止(TBML)や経済安全保障対策に有効であることを共同研究で確認したと発表した。金融機関の業務効率化にも寄与し、約20%の工数削減を実現したという。
この共同研究は、輸出入企業と金融機関の協力を得て、貿易書類のデジタル化による業務効率化や、マネロン防止策の強化を目的として実施された。具体的には、貿易プラットフォーム「TradeWaltz」に登録されたデジタルデータを活用し、金融機関における貿易書類のチェック作業の効率化を図った。
研究の結果、貿易書類のデジタルデータを活用することで、金融機関の業務効率が約20%向上することが確認された。従来、OCRによるデータ認識エラーの修正や、貿易取引の正当性確認、価格情報の妥当性確認、航路情報の正確性確認など、多くの手作業が必要とされていたが、デジタルデータの活用により、これらの作業が効率化された。
また、貿易デジタルデータの活用により、金融機関が行うマネロン防止策の強化にもつながることが確認された。具体的には、輸出入許可情報やHSコード、税関申告時の価格情報などを活用することで、取引の正当性や価格の妥当性、航路の正確性を確認することが可能となった。
今後、NTTデータ、NTTデータ ルウィーブ、近畿大学は、共同研究を継続し、貿易デジタルデータを活用した官民共同利用のTBML対策デジタルプラットフォームの実現を目指すとしている。
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