
キヤノンITSとNTTデータが協業、閉域網によるセキュアな企業間EDI実現へ
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)とNTTデータは、EDI(Electronic Data Interchange)分野での協業を発表した。両社は、キヤノンITSのEDI-MasterシリーズとNTTデータが開発する「AnserDATAPORT+C」を連携させることで、従来のインターネットを介したEDIに比べ、よりセキュアで効率的な企業間データ交換サービスの提供を目指す。
今回の協業では、親子企業関係を中心に、親企業が「AnserDATAPORT+C」を経由してセキュアな通信を実現し、子企業は「EDI-Master Cloud」を使うことで、専用回線の用意なしにクラウド経由でシステムを利用可能だ。キヤノンITSは、それぞれのニーズに合わせたEDIシステム全般—構築から導入・運用支援に至る包括的なサポートを行う。
背景には、DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進を受けた企業の業務デジタル化や、増加する企業間データ交換の重要性がある。また、インターネット経由のEDIが普及するなか、セキュリティ対策への要求は急速に高まっている。金融機関向けに提供されてきたNTTデータの「AnserDATAPORT」を拡張した「AnserDATAPORT+C」は、金融機関間のみならず、企業間のファイル送受信にも対応。閉域網(インターネットと切り離された専用ネットワーク)を活用し、通信の安全性を担保する。
EDI-Master Cloudは、マイクロサービスアーキテクチャ、オートスケーリング、コンテナ技術などを採用したクラウドネイティブなサービスとして、高い可用性と耐障害性を有する。サーバー不要で利用でき、各種APIやEDI業務運用サービスなども備える点が特徴だ。一方、従来型のEDI-Masterでは標準プロトコル対応により、小規模から大規模まで業界業種を問わず利用できる。
キヤノンITSとNTTデータは、トータルサポート体制により、従来のインターネットEDIを置き換える形で、企業のデータ交換環境のセキュリティと効率化を支援する。今後は両社の連携をさらに深め、様々な業種・規模の顧客向けに安全で安心なEDIシステム環境の構築と普及を目指す構えだ。
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