
住友生命とカラダノートが資本業務提携、少子化対応で共育て支援を拡大へ
住友生命とカラダノートは2025年5月29日、少子化問題に対応し社会のウェルビーイングを向上させるため、資本業務提携契約を締結したことを発表した。今後はカラダノートの持つ子育て・妊娠関連アプリと住友生命のウェルビーイングサービスを融合させ、相互送客や商品の共同開発など、幅広い連携を進めていく方針だ。
今回の資本提携では、カラダノートが第三者割当により400,000株を住友生命に割り当て、また代表から250,000株の譲渡も実施。住友生命の出資比率は9.72%となる。
業務提携面では、2025年度からカラダノートのアプリユーザーに対して住友生命グループのサービス情報を届けるほか、子育て世帯向けに健康プログラムや資産形成商品を提供する。また、住友生命の顧客にはカラダノートのアプリを案内し、両社の顧客基盤を活かした共育て支援を広げる計画だ。
近年、日本では少子化と人口減少が急速に進み、政府も2030年代には若年人口が減少する「ラストチャンス」という危機意識を打ち出している。政府は2023年に「こども未来戦略」や「気運醸成実行計画」を策定し、企業や地域、個人が一体となって子育てを支える仕組みづくりを推進している。企業には、育児支援をコストから未来への投資と捉え、男女問わず柔軟に働きながら育児に参加できる環境整備が求められている。
こうした社会的背景のもと、両社は次世代の子育てを支え、社会全体の幸福度向上を目指す。カラダノートは妊娠・出産・育児期に特化したアプリを展開し、国内の年間出生数の9割に相当する家庭に利用されている。主力アプリは「共育て」(夫婦協力の子育て)を支援する思想で設計され、金融・住宅・保険など幅広い生活インフラへの連携も進めている。
一方、住友生命は「ウェルビーイングに貢献するなくてはならない保険会社グループ」を2030年ビジョンに掲げ、健康増進型保険「Vitality」や「Well-being as a Service(WaaS)」などを展開。2025年度からは「ウェルビーイング・トランスフォーメーション(WX)」を強化し、健康増進・重症化予防・資産形成・プレコンセプションケアといった幅広いサービスの質と量を両立させる戦略を進めている。
本提携は、住友生命の成長戦略の柱である「金融領域の提携強化」を具現化したもので、今後多様なライフイベントに対応した家族支援サービスポートフォリオの拡充とLTV(顧客生涯価値)の拡大にもつなげていく方針だ。
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