
保育士の事務負担をAIで3割削減へ あいおい損保ら新ツール
ポイント
あいおいニッセイ同和損害保険とサンロフトは、保育施設に特化した生成AIツール「みらいコンパス」を6月20日に提供開始した。園だよりや業務報告書の下書き作成、保護者対応の助言などをAIが担い、事務作業に充てる時間の約33%を削減することをめざす。 あいおいニッセイ同和損害保険と保育ICTに強みを持つサンロフトは20日、保育施設向け生成AIツール「みらいコンパス」の提供を開始した。保育士の有効求人倍率は1月時点で3.78倍と高止まりし、人手不足と事務負荷の両面で現場は逼迫している。こども家庭庁の調査では、保育士が日々行う書類作成や連絡帳記入などの事務系業務が勤務時間の33%を占める。両社は「利用者に寄り添うAI」を掲げ、業務効率化によって子どもと向き合う時間を確保する狙いだ。
みらいコンパスは、損保会社として蓄積したリスクマネジメント知見と、サンロフトが保育現場で得たIT活用の課題を学習させた保育特化型AIである。園だより、保護者向け文書、業務報告書のドラフトを数十秒で生成できるほか、保護者対応や安全管理、人材育成についてもQ&A形式でアドバイスを提示する。
最大の特徴は「迷わず使えるUI」だ。操作方法を20〜30秒のショート動画で示し、よくある質問を初期画面に配置した。質問入力は選択肢とフリーワードを組み合わせた対話形式とし、ITに不慣れな利用者でも自然に条件を設定できる。さらに、献立作成や行事計画では入力内容に応じた専用フォームをAIが自動生成し、季節やアレルギー情報を入力するだけでオリジナルのメニューやスケジュールが完成する。
両社は今後、自治体との連携協定や保育事業者向けセミナーを通じて全国展開を図る。業務支援にとどまらず、働き方改革や保育の質向上、地域の人材不足解消にも寄与したい考えだ。MS&ADインシュアランスグループとしては、CSV×DXの方針のもと、最先端技術を活用した社会課題解決を継続するとしている。
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