
広島銀行、請求書管理と多様な支払を一体化するDX基盤「Smart Fine」始動
広島銀行は6月23日、請求書管理と決済をワンストップで行えるデジタルソリューション「〈ひろぎん〉Smart Fine」の提供を開始した。インボイス制度や電子帳簿保存法への対応で増大する経理負担を緩和し、地域企業のDXを後押しする狙いだ。
新サービスは「請求書DX」と「決済DX」の二つの機能で構成される。請求書DXでは紙やPDFで受け取った請求書をOCRで自動読み取り、データ化した後にクラウド上で一元管理する。データは決済DXへ自動連携され、手入力や転記ミスを大幅に削減できる。
決済DXでは銀行振込に加え、クレジットカードを用いた「請求書カード払い」に対応した。カード決済を選択すれば、引き落とし日まで資金を準備すれば済むため実質的な支払期日延長が可能になり、キャッシュフローの安定化につながる。カード利用に伴うポイント還元やキャッシュバックも活用できる。振込は広島銀行名義で最短3営業日後に取引先口座へ入金されるため、取引先側の手続き変更も不要だ。
システム開発はTISが担い、決済基盤にはデジタルガレージ、三菱UFJニコス、ジェーシービーが参画した。税理士向けシステムを手掛ける日本ICSが地元会計事務所との窓口機能を受け持ち、既存会計ソフトとの連携や運用サポートを提供する。複数企業が役割を分担することで、高度な金融・IT機能を中小企業でも導入しやすい価格帯で実現したという。
背景には、法改正に伴う証憑管理の厳格化と人手不足がある。紙ベースの経理は入力・照合・保管に多大な時間とコストがかかるうえ、属人化による漏れやミスの温床になっていた。Smart Fineは既存システムとの連携を前提に段階的導入が可能で、大規模なリプレースなしにクラウド運用へ移行できる点を強みとする。
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