
SMBCグループ・AMT・Volody・LNがCLM新会社「SMBCリーガルX」を共同設立
三井住友フィナンシャルグループは7月3日、アンダーソン・毛利・友常法律事務所(以下AMT)、インドのVolody Products Pvt Ltd(以下Volody)、レクシスネクシス・ジャパン(以下LN)と共同で、契約ライフサイクルマネジメント(CLM)事業を手掛ける新会社SMBCリーガルXを設立することで基本合意した。新会社は銀行業高度化等会社の認可取得後に設立され、資本金は6億円。設立当初はSMBCグループの全額出資とし、2025年内をめどにAMTとVolodyが資本参加する計画だ。
CLMは契約書の作成、レビュー、締結、保管、分析までをデジタルで一元管理する仕組みだ。電子署名は普及したものの、文書のバージョン管理や期限管理が紙や表計算に分散し、法務人材不足も重なって統制が難しい実態が残る。SMBCグループはこうした課題を解決するため、各領域のトップランナーと連携しCLM事業に本格参入する。
SMBCリーガルXが提供する「LegalXross」プラットフォームには、生成AIによる契約書の自動作成・レビュー機能、契約書管理・分析、プロセス全体を統括するワークフロー、法務リテラシー向上支援などを搭載する。国内提供にとどまらずAPACを中心にグローバル展開を図り、CLM分野で世界No.1のポジション獲得を目指す。
役割分担は、SMBCグループが信用力と法人顧客基盤を提供し、AMTが法務ナレッジで商品開発を支援。Volodyは既存のCLMソリューションと開発力を組み込みインド展開を主導し、LNは150超の国で構築した法務コンプライアンスデータベースを活用して販売を担う。メガバンクと大手法律事務所の資本業務提携は国内初とされ、リーガルテック分野で最大規模のアライアンスとなる。
さらに、SMBCグループとインキュベイトファンドが共同運営するコーポレートベンチャーキャピタル「SMBC Asia Rising Fund」はVolodyへの出資を検討中で、資本提携と同時に技術連携やアジアでの共同事業を強化する構えだ。SMBCグループは異業種とのオープンイノベーションを通じ、社会課題の解決と多様化する顧客ニーズへの対応を加速させる方針を掲げている。
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