
JALとSBIリクイディティ、マネースクエアHDを共同買収 FXとマイル連携へ
日本航空(JAL)とSBIリクイディティ・マーケット(SBILM)は7月14日、FXを中心とする投資ソリューションを展開するマネースクエアHDの全株式を取得することで、株主のノジマと株式譲渡契約を結んだ。取得比率はJALが約33.4%、SBILMが約66.6%で、関係当局の承認を前提に2025年8月上旬の取引完了を見込む。完了後、マネースクエアHDはSBILMの連結子会社、JALの持分法適用会社となる。
マネースクエアHDは2002年の創業以来、個人投資家の長期的な資産形成を支援する企業として業界をけん引してきた。特許取得済みの自動注文システム「トラリピ」は、想定レンジ内で新規と決済を繰り返すイフダン注文を一括で発注できるのが特徴で、短期の値動きを読まなくても取引機会を捉えられる点が支持されている。
JALは「JALマイルライフ」の下、日常でマイルをためやすく非日常の旅へとつなげるエコシステムを拡大中だ。今回の出資により金融領域を強化し、航空依存度を下げる非航空事業の成長を加速させる狙いを明確にした。FX取引という日常的な売買にマイル付与を組み合わせることで、利用頻度と顧客接点を高める構想である。
一方、SBILMはSBIグループでFX事業のマーケット機能やシステム開発を担い、国内最多の口座数を擁する。マネースクエアHDの独創的なサービスと組み合わせることで顧客層を広げ、FX市場でのプレゼンス拡大を図る。取引完了後は、トラリピにJALマイレージプログラムを組み込んだ新サービスモデルを展開する計画で、詳細な商品設計やマイル付与条件などは今後詰める。
両社はこれまでも「JAL Pay」「JAL NEOBANK」「JALの資産運用」などで協業してきたが、今回の買収は関係を一段と深化させるものだ。マネースクエアHDはSBIのシステム基盤とJALのブランド力を取り込み、商品開発やサービス拡充を加速できる見込み。JALにとっては航空需要の変動リスクを補完する収益源の強化、SBILMにとっては独自性の高いサービスを武器にした新規顧客獲得というメリットがある。
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