
住友生命とNTTドコモビジネス、AIアバター活用で健康増進プログラム効果を検証
住友生命とNTTドコモビジネスは17日、健康増進プログラム「Vitalityスマート」に対話型AIアバターを導入した共同実証実験の結果を公表した。GPT-4oによる生成AIとD-IDのアバター技術を組み合わせ、Webサイト上で利用者の運動関心度を5段階で判定し、雑談や質疑を交えながら個別に運動を勧奨するとともに、最適なタイミングでVitalityスマートを案内する仕組みを構築した。
実証は2024年10月から2025年1月まで実施され、サービス提案に好感を示した参加者は87%、試用者の40%がプログラムの魅力が高まったと回答した。会話制御の精度に大きな問題はなく、アバターの外観や動きの自然さが対話継続意欲の向上に寄与したと評価された。
住友生命のVitalityシリーズは2018年の発売以来、運動や健康活動の記録に応じて特典を提供する仕組みで支持を拡大し、2023年にはVitalityスマート、2024年には福利厚生タイプを発売、契約者は150万人を超えている。サービス浸透の鍵として、個々人の興味やライフスタイルに合わせたきめ細かな働きかけが必要だと両社は判断。生成AIを生かしたパーソナライズドメッセージで運動習慣づくりを後押しできるかを今回の実証で確かめた。
アバターはアニメ調や実写調など複数パターンを実装し、ユーザーの好みと応答速度を比較した結果、いずれも高い好感度を示したが、特にリアル調のモデルが自然な対話体験を提供したという。また運動への関心度別に用意したシナリオが、従来の一律な情報提供に比べ説得力を高める要因となったと分析されている。
さらにNTTドコモビジネスが開発したガードレール技術「chakoshi」を組み込むことで、不適切な入出力を高い検出率で遮断し、安全な対話運用の可能性も確認された。両社は本成果を踏まえ、年度内の商用化を検討するとともに、保険や資産運用相談など他サービスへの展開や、後方業務を自律処理するAIエージェントへの発展も視野に入れる。住友生命はVitalityシリーズの価値向上を、NTTドコモビジネスは多分野のAI活用支援による事業価値向上を目指す。
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