
みずほFGとソフトバンクがAIで包括提携、金融初の「Cristal intelligence」採用へ
みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)とソフトバンクは18日、AI分野での戦略的包括提携契約を16日に結んだと発表した。提携の核となるのは、OpenAIとソフトバンクが共同開発中の企業向け最先端AI「Cristal intelligence」をみずほFGが金融業界で初めて導入する計画だ。Cristal intelligenceは企業のシステムやデータを安全に統合し、長期記憶を備えたAIエージェント同士が連携して経営を最適化する技術と位置付けられている。
みずほFGは同AIを活用し、「最高の顧客体験」と「オペレーショナルエクセレンス」の同時実現を掲げる。具体的には、膨大な取引データと市場動向を解析して24時間365日、法人顧客が即時に最適な融資や経営アドバイスを受けられるサービスを構築する。また重要な意思決定時には、人の担当者が相談に応じるハイブリッド体制を整え、新しいユーザー体験を提供する方針だ。
業務面では、営業活動の生産性を2倍以上に高め、低付加価値業務を最大50%削減するほか、コンタクトセンター関連の生産性も最大50%向上させる目標を設定。これらの取り組みにより、2030年度までに2024年度比で3,000億円程度の効果創出を見込む。みずほが保有するデータや金融ナレッジと、ソフトバンクのAI・デジタル技術、業務プロセス改革ノウハウを組み合わせ、業務の標準化・高度化・自動化を加速させる。
人材戦略でもAI活用を強化する。採用・育成・評価・異動の各プロセスにAIを取り入れ、AI利活用スキルや創造性、共感力といった人ならではの付加価値を高める狙いだ。さらに両社は、ソフトバンク子会社SB Intuitionsが開発中の日本語特化型LLM「Sarashina」を基盤に、金融に特化したLLMの研究開発を開始する。
みずほFGとソフトバンクは、Cristal intelligenceをはじめとする最先端AI技術を金融業界へ広く展開し、ユーザー体験の変革と抜本的な生産性向上を推進するとともに、顧客および社会への一層の貢献を目指すとしている。
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