
NTTデータ、みずほ銀行に共通ID基盤「OpenCanvas IDaaS」提供
NTTデータは7月30日、ID統合・ID連携サービス「OpenCanvas IDaaS」の提供開始を発表した。企業が保有する複数のID体系を共通IDに束ね、各サービスへのシングルサインオンを実現するクラウド型サービスである。第1弾として、みずほ銀行が法人向けトータルプラットフォーム「M’s Palette」に導入した。
従来、みずほ銀行の法人向けWebサービスは決済、融資契約、帳票閲覧など機能ごとにIDが分かれており、利用者はサービスごとに登録・ログインを行う必要があった。今回、OpenCanvas IDaaSを組み込むことで、M’s PaletteのIDだけで各種サービスへアクセス可能となり、業務効率化と利用体験の向上を図る。
OpenCanvas IDaaSの中核となる認証・認可機能には、NTTテクノクロスのパッケージ「TrustBind」を採用。公共・金融分野で100件超の導入実績を持つ技術をベースに、高い可用性と拡張性を確保した。また、基盤はNTTデータのクラウド「OpenCanvas」を使用し、24時間365日体制の運用を担う「ANSER」と連携することで、金融機関が要求するセキュリティ水準に対応している。
開発面では大規模アジャイルフレームワークSAFeを取り入れ、利用企業の要望に応じた機能追加や個別対応を迅速に実施可能とする。さらに、グループ内資産を活用した円建ての料金体系により、価格競争力を確保しつつ為替変動リスクも抑えた。
NTTデータは今後、2026年度までにFIDO2.0による生体認証を含む多要素認証機能を追加し、セキュリティとユーザー体験の双方を強化する方針だ。同社はシングルサインオン基盤を軸に、IDに紐づく顧客データの統合管理やクロスセル施策の支援など、デジタルマーケティング領域への展開も視野に入れる。
みずほ銀行に続き、他の金融機関や法人企業にも導入を提案していくとし、ID体系の乱立がもたらすコスト増や顧客情報活用の障壁といった課題解決を後押しする考えだ。
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