
りそなHDがデジタルガレージを持分法関連会社化、30%出資で決済・新事業を共同推進
りそなホールディングスは7月31日、デジタルガレージの普通株式8,520,200株をOasis Management運用ファンドから取得し、議決権所有割合を12.4%から30.9%へ高めると発表した。これによりDGはりそなの持分法適用関連会社となる。併せて決済ビジネス分野と新規事業開発分野を対象とする新たな資本業務提携契約を締結し、協業を本格的に深化させる。
金利上昇局面で預金獲得競争が激化する一方、手形・小切手の廃止や急速なキャッシュレス化で決済市場には多様なプレーヤーが参入している。りそなは法人50万社、個人1,600万口座の顧客基盤を持つが、資金決済単独では差別化が難しい。高度な決済機能とFintechノウハウを持つDGとの連携を強化し、プラットフォーム型ビジネスを構築することで競争優位を確立する狙いだ。
業務提携の柱は五つ。①DGの決済専門人材をりそなへ出向させ共同営業体制を整備し、法人顧客に非対面決済サービスを提供。②飲食・小売など中小事業者がスマートフォンやタブレットで容易に導入でき、資金管理も可能な次世代決済アプリを共同開発。③DGが決済データやAIを活用して展開する中小企業向けデジタル金融事業への参入をりそなが支援。④両社グループ会社や提携ネットワークを広範に活用し、「CurePort」や「請求書カード払いオンライン」に続く新規事業を創出。⑤総額130億円の共同CVCファンド「DGりそなベンチャーズ1号投資事業有限責任組合」を通じ、先進的ビジネスモデルを持つスタートアップとの協業を推進する。
株式譲渡は公正取引委員会による審査後、8月下旬から9月下旬に完了する予定で、金融商品取引法上の買集め行為に該当するため適時開示された。りそなによれば、取引の当期業績への影響は軽微だが、中長期的には決済関連収益約800億円の拡大やROIC10%超を目指す。取得資金は中期経営計画で想定するインオーガニック投資枠内に収まり、CET1比率への影響も約マイナス0.2%にとどまる見込みである。
DGはプラットフォームソリューション、インキュベーション、投資事業を手がけ、スタートアップとのネットワークに強みを持つ。りそなは同社とのパートナーシップを「戦略上、代替不可能」と位置づけ、決済の未来にプラスを生み出すと強調している。
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