
大和証券グループと日本マイクロソフト、生成AIで次世代ウェルスマネジメントへ
大和証券グループ本社は2025年7月31日、日本マイクロソフトと複数年にわたる戦略的枠組み契約を締結した。新中期経営計画「Passion for the Best 2026」で掲げる「お客様の資産価値最大化」を技術面から後押しし、グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速する狙いだ。
同社は昨秋、コンタクトセンターにAIエージェントを導入した「AIオペレーターサービス」を開始しており、その成果を踏まえてAI活用範囲を全社に拡大する。今回の合意では、マイクロソフトのクラウド「Microsoft Azure」、生成AI「Azure OpenAI」、AIアシスタント「Microsoft 365 Copilot」などを組み合わせ、(1)次世代ウェルスマネジメント体験の創出、(2)社員の能力発揮、(3)先進的かつ信頼できるデジタル基盤の構築――の三領域で協業を進める。
第一の領域は「次世代ウェルスマネジメント体験の創出」。高度なデータ分析で顧客理解を深め、一人ひとりに最適化した情報提供とコンサルティングを実現する。潜在的ニーズを先回りして把握し、ライフプランに沿った資産運用を提案することで、エンゲージメントと資産価値の向上を図る。
第二は「テクノロジーを活用した社員の能力発揮」。AIと自動化ツールを業務プロセスに組み込み、精度とスピードを向上させる。定型業務を効率化して生まれた時間を顧客対応など付加価値業務へ振り向けるとともに、強化されたデータ分析基盤で迅速な意思決定を促す。
第三は「先進的かつ信頼できるデジタル基盤の構築」。Azureのセキュリティ機能で顧客情報を保護しながら、将来のサービス拡張に対応できる柔軟なインフラを整備する。また「Microsoft Learn」や共同研修を通じ、全社員約1万5千人のAI・クラウドスキル向上を図り、組織全体のDX推進力を底上げする。
両社は「責任あるAI」の原則を共有し、倫理的で安全な技術活用を徹底する。大和証券グループ本社は協業を通じて金融業界におけるAI活用の先駆者となり、顧客、社員、さらには日本企業の国際的なビジネス拡大に貢献する価値あるイノベーションの実現を目指すとしている。
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