
北國FH、マルチクラウド活用の次世代コアバンキングを地域金融機関向けに販売開始
北國フィナンシャルホールディングスグループのCCイノベーションは2025年8月1日、SaaS型で提供する次世代コアバンキングシステムおよび各種サブシステムを、グループ外の地域金融機関に販売すると発表した。対象となる勘定系システムは2028年1月に北國銀行で稼働予定のもので、マルチクラウド構成により高可用性を確保。プログラミング言語を従来のCOBOLからJavaへ移行し、モダナイズを図っている。追加機能はノンカスタマイズで無償提供する方針だ。
料金体系は年間ランニングコスト6億円からで、取り扱うデータ量に応じて変動する。クラウド利用料を含み、初期導入費用は不要とした。コスト構造を平準化し、導入障壁を下げることで地方金融機関のシステム更改を後押しする狙いがある。
併せて、同社グループで内製開発・運用しているサブシステムも提供する。ラインアップは個人向け・法人向けインターネットバンキング、AI機能付き顧客情報管理、HRM、アンチマネーロンダリング、カード加盟店・発行システム、ステーブルコインシステムなど多岐にわたる。いずれもパブリッククラウドで稼働し、グループ内での稼働実績を持つ。年間ランニングコストは1億円からで、導入範囲に応じて価格が決まる。勘定系との接続開発が別途必要となるが、拡張性を担保している。
さらに、既存システムからの移行を支援するコンサルティングサービスも開始する。CCイノベーションはこれまで本店ビル新築支援、組織改革、コスト削減、事務BPRなど多様なプロジェクトを手掛けてきた実績があり、勘定系移行やオンプレミスからクラウドへのリフト、COBOLからJavaへのモダナイゼーションもグループ内で経験済みだ。このノウハウを外部機関へ横展開し、移行リスクの低減とプロジェクト期間の短縮を図る。
同社は「価値観を共有する金融機関とともに、地域での社会課題解決と利益創出の両立を目指す」としており、システム提供とコンサルティングを一体化することで地方銀行のDXを包括的に支援する考えだ。
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