
りそな銀行、インサイドセールス強化へPKSHAのAIで架電効率と品質を両立
PKSHA Technologyは8月7日、りそな銀行のインサイドセールス業務にAIアシスタント「PKSHA Speech Insight」が採用されたと発表した。同行では22年以降、電話による新規アポイント取得を強化しているが、通話後の記録作業に時間を要し、担当者間でスキル差が生じていた。新システムの導入により、通話内容の自動書き起こしと要約を実現し、後処理(ACW)の負担を軽減することで架電件数を伸ばす狙いだ。
Speech Insightは高精度の音声認識とLLMを組み合わせ、通話テキストをリアルタイムで生成する。生成されたテキストは顧客管理システムへワンクリックで転記でき、メモ作成や後続部署への共有を自動化するため、入力ミスの防止と作業時間短縮が期待される。
また、アポイント獲得に至った会話と未達成の会話を比較し、話題の切り出し方や質問のタイミングといった成功要因を数値化。優秀オペレーターの暗黙知を可視化して全員へフィードバックできる点が特徴だ。
りそな銀行は4月から約100席規模で運用を開始し、ACW時間の大幅削減とアポイント獲得率の上昇を目標に掲げる。法人プレミア戦略部の熊谷賢グループリーダーは「高精度な音声認識と応対品質の可視化が決め手になった。今後は顧客ニーズを的確に把握し、競争力のある営業組織を目指す」とコメントした。
PKSHA Technologyは、Speech Insightを含む複数のAI SaaSを金融・製造・教育分野へ展開しており、今回の事例を機にアウトバウンド領域での支援を加速する方針を示す。同社は「対話データの活用で営業現場の生産性を底上げし、人がより創造的な業務に注力できる環境を実現する」としている。
今回の導入は、従来インバウンド中心だったコンタクトセンター向けAIをアウトバウンド営業に応用した点が特徴だ。りそな銀行は今後、後処理時間のさらなる短縮と応対品質底上げを通じて顧客への提供価値を拡大し、営業部門の売上貢献を高める考えだ。
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