
外国送金業務を刷新 BIPROGYが商工中金とペーパーレス化を実現
BIPROGYは8月8日、外国送金ワークフローサービス「SurFIN」と国際勘定系システム「OpenE‘ARK-ONE」を連携させる新機能を開発し、商工中金に提供したと発表した。Swiftが進めるISO20022電文への移行に対応し、受付から記帳決済までをStraight-Through Processingで処理する。これにより月間約2万枚発生していた紙書類を削減し、書類確認や検印作業も不要となった。
新システムでは、SurFINで受け付けた送金データをOpenE‘ARK-ONEへ自動連携し、先日付取引を期日管理したうえで決済データとしてSurFINに戻す仕組みを採用。従来は月末などに集中していた勘定オペレーションを事前処理へ分散でき、繁忙日の人員配置を平準化した。さらに、利用者が事前に送金内容を登録できる「おうちでSurFIN」を活用し、店頭受付の約10%を事前予約へ振り替えたことで来店者の待ち時間を短縮し、入力誤りによる手戻りも減少した。
国際送金を巡っては、G20が2027年末までに平均コスト1%以下、75%を1時間以内着金という目標を掲げる。電文の細分化やルール複雑化が進む一方で、金融機関には事務の徹底的な自動化が求められる。BIPROGYはAPI連携や追加機能を拡充し、さらなる効率化を支援するとしている。
商工中金は今後、ProgmatとDatachainが推進するステーブルコインを用いたクロスボーダー送金基盤「Project Pax」の実務検証フェーズに国内で初めて参加する。検証では、SurFIN上でSC決済用MX電文を作成し、SC送金基盤へ接続する運用を試す予定で、BIPROGYが技術面を支援する。同行はAML/CFTや既存オペレーションとの併存などの課題を整理し、次世代外国送金サービスの実用化を目指す。
BIPROGYは経営方針で掲げるファイナンシャル領域の中核施策として本取り組みを位置付け、地域経済活性化と持続可能な社会の実現に寄与する方針だ。
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