
金融庁、2025事務年度の金融行政方針を公表 地域金融と監督体制を強化
金融庁は8月29日、2025事務年度の金融行政方針を公表した。地域経済への貢献を高めるため、関連施策をパッケージ化した「地域金融力強化プラン」を年内に策定する。地域金融機関が適切な経営管理と業務運営を確保しながら、その役割を十分に発揮できる環境整備も併せて検討・実施する方針である。
資産運用立国の推進と企業価値の向上に向け、人的資本に関する開示の充実を含むコーポレートガバナンス改革を進める。家計の安定的な資産形成を支援するため、NISAの一層の充実などの取り組みを着実に実施する。
暗号資産やステーブルコインに関しては、欧米などのグローバルな動向を踏まえ、制度整備を進める。円建てステーブルコインの活用を含めた決済の高度化・効率化を後押しし、我が国における金融サービスのイノベーション活性化と信頼ある提供につなげる。
協同組織金融機関については、不正融資や重大な法令違反が確認されたことを踏まえ、経営管理と業務運営の適切性を確保する。課題の早期発見と的確な対応を重視する。
保険業界では、保険金不正請求や保険料調整行為の再発防止を図り、顧客本位の業務運営の徹底と健全な競争環境の実現を目指す。情報漏えい事案を踏まえ、保険会社の適切な情報管理態勢を確保するため、監督・検査を実施していく。
組織体制の見直しとして、資産運用業とアセットオーナーでもある保険業に対する監督の連携強化を図る観点から、「資産運用・保険監督局」の設置を目指す。あわせて、銀行業と証券業の実態を踏まえたグループベースでの監督の高度化に向け、「銀行・証券監督局」の設置も目指す。さらに、金融庁の組織と職員の政策立案・実行能力の継続的な向上に向け、金融行政の目標に関する共通理解を深め、業務との結びつきを身近に感じられる取り組みを進めるとしている。
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