
NTTデータら、銀行保険窓販の交付書面電子化を業界初実現
NTTデータは9月5日、池田泉州銀行、第一フロンティア生命、T&Dフィナンシャル生命と連携し、銀行による保険募集業務で法定の「契約締結前交付書面」を電子交付するサービスの提供開始を発表した。9月8日に池田泉州銀行で先行導入する。対面の銀行保険窓販における同書面の電子交付は業界初となる。ペーパーレス化により募集担当者の業務効率と顧客体験の向上を見込む。
NTTデータは2017年から、タブレット端末やPCを用いた提案・申込手続の電子化を「保険窓販フロントゲート/保険会社共同ゲートウェイ」を通じて約70ユーザーに提供してきた。2023年11月には保険料振込手続のペーパーレス化サービスも開始し、電子化を推進してきたが、契約締結前交付書面は法令上の原則により紙交付が続いていた。一方、金融商品取引法等の改正で電子交付に関する規定整備が進み、業務効率化への期待が高まっていた。
今回、NTTデータは池田泉州銀行や複数の生命保険会社と協議し、第一フロンティア生命をはじめ各社で実現方法の立案から法令確認までを一貫して実施、「キットレス検討協議会」を開催。共通仕様の調整や既存システムの機能拡張を進め、商用提供に至った。
本サービスにより、これまで紙で交付していた契約締結前交付書面をタブレット上の手続きで電子交付できる。募集担当者はタブレット1台で提案から申込まで完結可能となり、書面の事前準備や携行、商品改定時の差し替え作業を削減できる。交付漏れや差し替え漏れのリスク低減にも寄与する。池田泉州銀行では、提携保険会社が電子交付に対応した場合、募集キット準備・差し替え等の業務が年間約3,900時間削減される見込みだ。
顧客はスマートフォンなどから書面をいつでも閲覧でき、紛失リスクや保管負担の軽減が図れる。保険会社にとっては印刷・配送の削減によるコストメリットが生じ、効果を新たな顧客サービスや品質向上施策に充当するとしている。
NTTデータは、本サービスを「保険募集手続きの完全デジタル化」に向けた重要なステップと位置づけ、保険会社との連携を深めつつ他の金融機関への展開を進める。
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