
BIPROGY、Resonatexに固有IDとパスキー認証追加 10/1開始
BIPROGYは9月17日、API公開基盤「Resonatex」の拡充として、新プラン「ホワイトIDプラン」とオプション「パスキー認証オプション」を発表し、10月1日から販売開始すると明らかにした。ResonatexはAPIマネジメントとID認証管理を組み合わせ、金融機関におけるオープンAPIをセキュアに実現するサービスである。
従来はBIPROGYが発行・管理する共通ID「AduME」を用いる「AduMEプラン」を提供していたが、新たなホワイトIDプランでは、API実行時の認証・認可に金融機関固有のIDを利用できる。ID基盤を専用環境(シングルテナント)で提供するため、自社ブランドを冠したIDの発行やマーケティング、サービス改善など、各行のID戦略に沿った柔軟な活用が可能だ。一般に固有IDを用いる場合に必要となる専用API基盤の構築や大規模なスクラッチ開発を、Resonatexの共通基盤をSaaS型で用いることで低コストに抑えるとしている。低コスト・早期立ち上げに強いAduMEプランに対し、同プランは自社ビジネス拡大に適する位置づけである。
パスキー認証オプションは、FIDO2に基づくパスワードレス認証をID認証に追加できるオプションで、ユーザビリティーの向上とセキュリティー強化によるフィッシング詐欺対策を可能にする。AduMEプラン、ホワイトIDプランの双方で利用できる。
先行導入行として百五銀行での採用が決定しており、同行はホワイトIDプランを用いて、バンキングアプリをはじめとする各種WebサービスのID統合を構想している。本番稼働は26年度上期を予定する。
背景として、金融機関ではフロントチャネルや非対面サービスの拡大により、Webやアプリ、店舗などに分散した顧客接点をIDで一元化する動きが加速している。法規制の強化やサイバー攻撃の高度化もIDの在り方に影響を与えており、同社はこうした環境変化に対応する選択肢として新プランとオプションを設けた。
Resonatexは、勘定系などの基幹システムと、Fintech企業が提供するフロントサービスをセキュアに連携する。金融機関は安全性を確保した金融サービスを短期間で提供でき、生活者はバンキングアプリなど利便性の高いサービスを安心して利用できるとしている。2017年の提供開始以来、20以上のフロントサービスと連携し、15行庫の地方銀行と信用金庫で採用、100万人以上に利用されている。今後は最適なID基盤の提供を進めつつ、地域活性化に向けたソーシャルログインIDの活用拡大も検討するとしている。
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