
住信SBIネット銀行、勘定系をAWSへ全面移行 2028年初頭稼働へ
住信SBIネット銀行は9月18日、勘定系システムをアマゾン ウェブ サービス(AWS)のクラウド環境へ全面移行し、2028年初頭の稼働を目指すと発表した。日本IBMが提供するオープン系勘定系「NEFSS(Next Evolution in Financial Services Systems)」を今後の成長に合わせて拡張した新アーキテクチャーへ進化させ、AWS上で稼働させる。勘定系の新アーキテクチャーをAWSで運用するのは国内初とする(同社および日本IBMの事例調査による)。
同社は2007年9月の営業開始以来、オンラインでフルバンキング機能を提供するデジタルバンクとしてサービスを拡充し、口座数は825万口座、預金総残高は11兆円に達している(口座数は2025年3月末、残高は2025年8月4日時点)。長年中核として稼働してきたNEFSSを新アーキテクチャーへ移行することで、3,000万口座超のデータボリュームに対応可能となり、その後の事業拡大にも柔軟に追随できる設計とする。運用コストは約30%の削減を見込むほか、安定性・可用性・拡張性・効率性を高め、開発・運用のスピードと柔軟性を向上させる。
クラウド基盤には社内で導入実績のあるAWSを採用する。既に稼働中のアジアパシフィック(東京)リージョンとアジアパシフィック(大阪)リージョンによる東阪マルチリージョンの冗長化環境に、勘定系が加わることで、主要システムはすべてAWSへ移行する。これにより処理の効率化と俊敏性に加え、障害時の迅速な切り替えや災害時の業務継続など、レジリエンシーの一層の向上を図る。顧客に対しては、よりセキュアで安定したサービス提供体制を強化する。
今後はAWS、日本IBM、キンドリルジャパンと連携を深め、生成AIなど最新技術を活用したプロジェクト推進や技術サポート体制の拡充を進める。同社は顧客中心主義を掲げ、より高度なサービスの提供を通じて選ばれ続ける銀行を目指すとしている。
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