
金融機関向けAIで融資先の急変を予測「格付急変先ビュー」提供開始
ポイント
BIPROGYは2025年9月19日、金融機関向け分析モデル「格付急変先ビュー」の提供を開始した。AIで「正常先」と評価された融資先の急変を1年以内に予測し、月次の評価・可視化で迅速な対応を支援する。AIの専門知識や大規模システムを必要とせず、PCで運用可能。信用コスト抑制や地域振興への寄与を見込む。 BIPROGYは2025年9月19日、金融機関向け分析モデル「格付急変先ビュー」の提供を開始した。同モデルは、信用格付(企業や金融商品の信用力を評価する指標)で「正常先」と評価された融資先が「破綻先」へ急変する可能性をAIで精度高く予測し、早期のフォローと信用コスト(貸倒引当金繰入額や償却額など)の抑制を支援する。
世界情勢の変化で先行き不透明感が強まるなか、倒産件数の増加により、与信分野では経営悪化の兆候を早期に捉える重要性が高まっている。一方で兆候把握のスキルは属人化しており、継承や人材育成が課題だ。
格付急変先ビューは、1年以内に急変する可能性が高い候補先を抽出し、継続的なフォローを促す。一般的なデフォルト予測が年1回更新であるのに対し、月次で評価・可視化することで、先手のアプローチシナリオ策定を後押しし、業務の精度向上と効率化に資する。
AIなどの専門知識を必要とせず、精度検証済みの分析モデルとして提供されるため、新規開発なしに運用でき、データに基づくシナリオ策定は職員のスキルアップにもつながる。さらに大規模なシステム環境を前提とせず、Windows配下のクライアント型PCで運用可能だ。
BIPROGYは本モデルの提供を通じて、リスク管理の精度向上や顧客管理の効率化を支援し、融資の継続を通じた地域振興への寄与を掲げる。今後は、金融機関向け分析モデルの拡充を進め、リスク管理や資金需要予測、ターゲティング分野への展開に加え、データ格納サービスや、分析モデルを活用した法人・個人向けの顧客管理ソリューション展開も検討する。
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