
金融向け市場系システム「C-GOAT(TM)」提供開始 債券管理と拠点展開を迅速化
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2025年9月25日、金融業界向けクラウド型市場系システム「C-GOAT(TM)」の提供開始を発表した。債券取引や四半期ごとの決算処理を効率化し、本社機能によるガバナンス強化を支援する債券管理パッケージを提供する。クラウドサービスとして提供することで、迅速な導入と段階的な拠点展開を可能にする点を特徴とする。価格は年額2400万円(税抜)からで、アジア拠点や地方銀行を主な対象とし、3年間で30億円の売上を見込む。
債券管理は収益把握やリスク統制に直結する中核業務であり、主要拠点では高度な市場系システムの導入が一般的だ。一方で、アジア地域の拠点や地方銀行では取引量が少なく、同等のシステムは機能過剰や高コストになりやすい。各国制度への対応や地場システム連携の柔軟なカスタマイズにも課題があり、手作業が残存して属人化や転記ミスのリスクを抱える現状がある。
C-GOAT(TM)は、取引管理や決算処理などの基本機能を網羅しつつ、国ごとに異なる利払い計算方式や税制にも柔軟に対応できる。これにより、海外拠点や地方銀行など業務要件の異なる現場でも、実務に即した導入と運用が可能になる。拠点ごとに分散した管理情報を一元化することで、本社主導のガバナンス強化や運用ルールの標準化にも寄与する。サブスクリプション型の提供により初期コストを抑え、短期間での立ち上げと段階的な拠点展開を支援する。
インフラには、金融業界の厳格なセキュリティ要件であるFISCガイドラインやPCI DSSに対応したCTCのクラウドサービス「C-NOAH」を採用した。顧客のオンプレミスや他クラウド環境にアプリケーションのみを提供する形態も選択でき、既存環境に合わせた導入が可能だ。
CTCは金融機関向け大規模システムの構築・運用で培った知見と、クラウド開発・導入実績を踏まえてC-GOAT(TM)を開発した。今後は為替やデリバティブ、デジタル債など対象商品の拡充を進め、金融機関の業務効率向上とガバナンス強化を継続的に支援していくとしている。
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