
三菱UFJモルガン・スタンレー証券がデジタルアセット事業開始
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の連結子会社である三菱UFJモルガン・スタンレー証券は10月14日、デジタルアセット事業の開始を発表した。ブロックチェーン技術を基盤とするセキュリティトークン(ST)のうち、債券STの取り扱いを同日開始し、個人向けデジタル証券取引サービス「ASTOMO」をリリースした。ASTOMOはスマートプラスの証券ビジネスプラットフォーム「BaaS」を活用し、両社の共同運営で提供する。サービスは不動産STの取り扱いから始める予定だ。
デジタルアセットは透明性やセキュリティの高さを背景に市場拡大が続く。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、発行体に対して多様な資金調達手段を用意するとともに、投資家に新たな投資機会を提供するとしている。ASTOMOでは、期中分配金と満期償還金による資産形成が期待できるデジタル証券を同社が選定し、スマートプラスが顧客に届ける。スマホで10万円から投資可能とした。
MUFGはグループの方針として、保有資産を含む新アセットのST化や、暗号資産、ステーブルコイン、トークン化預金などを活用したデジタル事業の可能性を探る姿勢を示している。今回の取り組みも、その一環として顧客の多様なニーズに応える価値提供をめざす位置づけだ。
同社は併せて、セキュリティトークンのリスクにも言及した。STは証券保管振替機構の振替制度ではなくブロックチェーン上で権利が記録・移転されるため、技術やプラットフォーム運営の不確実性により、受け渡しや分配の遅延が生じる可能性があるという。不動産STでは、市況や金利動向などにより価格が下落し損失が生じ得るほか、流動性が限られ売却機会が保証されない、譲渡制限が付される場合があると注意喚起している。
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