
三井住友海上とenstem、スマートウォッチ活用の自動車・労災事故防止サービス開始
三井住友海上火災保険とenstemは10月17日、専用スマートウォッチ由来の生体データを分析し、ドライバーや現場作業員の体調異変を常時把握して自動車事故や労災事故の未然防止を図るサービスの提供を開始した。MS&ADインシュアランス グループの取り組みとして、社会インフラを支える運送や製造・建設・倉庫業の安全な労働環境整備を支援する。
背景には、少子高齢化や人手不足による高齢就業者の増加、気候変動に伴う夏季の気温上昇など、企業が対応すべき安全リスクの多様化がある。運送業ではドライバーの健康起因事故が増加傾向にあり、「物流の2024年問題」を背景に環境整備が進む。一方で、製造・建設・倉庫業では熱中症や転倒事故が増えている。2025年6月には改正労働安全衛生規則が施行され、熱中症のおそれがある従業員の早期発見や重篤化防止の対策が義務化された。
三井住友海上が提供する「補償前後のソリューション」に、enstemの専用スマートウォッチを活用した2つのサービスを追加し、全国の保険代理店を通じて提供する。ドライバー向けの「Nobi for Driver」では、生体データから無自覚の体調変化や眠気などの危険兆候を検知し、振動やメッセージでドライバーと管理者へアラートを送る。位置情報などを組み合わせ、ルート上の危険箇所の可視化や運転状況のリアルタイム確認も可能だ。さらに、アラート発生傾向をenstemの専任スタッフが管理者へフィードバックし、体調を気遣う声掛けや季節要因を踏まえた注意喚起を促す。
作業員向けの「MAMORINU」では、生体データから熱中症リスクの高まりや集中力低下、継続的な高負荷作業の兆候を検知してアラートを発信する。転倒・転落の検知や、作業員自身によるSOS発信機能により、管理者の迅速な緊急対応を支援する。加えて、工程ごとの作業時間や作業負荷の可視化・分析により、現場実態に基づく労働環境の整備や業務改善を後押しする。
MS&ADインシュアランス グループは、今後も最先端テクノロジーや事故データの活用を通じ、幅広い業界における事故防止と労働環境の整備に資する商品・サービスの開発に取り組むとしている。
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