日本初の円建てステーブルコイン「JPYC」発行開始、発行・償還基盤「JPYC EX」公開
JPYCは10月27日、日本初の日本円建てステーブルコイン「JPYC」の正式発行を開始し、発行・償還を受け付ける公式プラットフォーム「JPYC EX」を公開した。JPYCは資金決済法第2条第5項の電子決済手段に該当し、1:1での日本円交換(発行・償還)、円建て価値を維持した即時送付・受領、ブロックチェーンを用いた低コスト・高速なオンチェーン送金を特長とする。裏付け資産は日本円(預貯金および国債)で、発行残高の100%以上を保全するとしている。
JPYC EXでは、登録ユーザーが発行予約後に銀行振込で入金すると、登録済みウォレットへJPYCの発行を受けられる。償還は償還予約の上、指定アドレスへJPYCを送付すると登録出金口座に日本円で払い戻される。登録時の取引時確認はマイナンバーカードの公的個人認証(JPKI)に一本化されている。
対応チェーンはAvalanche、Ethereum、Polygon(順次拡大予定)。開発者向けには送受信、チェーン別アドレス変換、残高取得、ウォレット連携などを数行で実装可能とする「JPYC SDK」を無償公開しており、GitHubから利用できる。
ユースケースの広がりとして、電算システムが実店舗・ECの決済システムを開発中で、既存の収納代行ネットワークを生かしたB2C/B2B決済や企業間精算の具体化を進める。アステリアの「ASTERIA Warp」には連携機能が追加予定。HashPortの「HashPort Wallet」でも対応予定で、マルチチェーンやガスレス接続によりユーザー体験の向上を見込む。
法人資産管理SaaS「N Suite」ではプリセットトークン対応を予定し、業務処理や残高管理の効率化を図る。ナッジのクレジットカード代金JPYC払い、ユーツーテックの漫画家支援プラットフォーム「comilio」での決済導入、クリプトリンクの損益計算ツール「CryptoLinC」での対応も予定されている。
同社は発行チェーンの拡大やUX改善を通じて利便性と信頼性の向上を図り、パートナーとの連携を強化してエコシステムを拡大する方針だ。
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