みずほ、AI基盤「Wiz Base」公開 営業支援の大規模PoCを本格推進
みずほフィナンシャルグループは12月1日、生成AIを活用したAI基盤「Wiz Base」をリリースし、営業支援領域におけるAI活用の本格導入を見据えた大規模PoC(概念実証)を本格的に推進すると発表した。
Wiz Baseは、AWS上に構築したAIエージェントを稼働させる基盤であり、Claude(Anthropic社)をはじめ複数モデルをAmazon Bedrockで安全に連携できるマルチLLM構成を採用する。同社が定義する「AI Oriented Architecture(AIOA)」に基づき設計しており、金融機関に求められる信頼性・監査性・権限統制を担保しつつ、複数のエージェントが協調して業務を遂行するマルチエージェントシステムを実現するという。
リリースにあわせ、営業現場の知見を可視化・再利用する内製AIコンポーネントの稼働も開始した。RM(リレーションシップ・マネージャー)向けの「RM Studio」は、顧客との対話履歴や提案内容を解析し、次の打ち手や提案方針の提示、提案スライド作成等を行う。「Wiz Create 面談記録・議事録作成エージェント めんきくん」は、対面・オンラインの商談や会議を自動で記録・要約し、面談記録・議事録を作成。今後CRMやナレッジベースと連携予定である。
「Wiz Search」は、事務・与信など多岐にわたる社内情報から、社員の質問に関する手続書やマニュアルを検索し、回答を生成する。「みずほAIインタビュアー」は、経験豊富なRMへのインタビューから営業ノウハウや経験知(暗黙知)を形式知化し、抽出した知見をRAG(Retrieval-Augmented Generation)DBや独自LLMの学習データとして活用予定だ。「みずほDeepResearch」は、顧客企業や業界動向を自律的に調査・要約し、提案活動に資する情報を提供する。
これらはWiz Base上で連携し、RMの提案準備から提案、振り返りまでを一貫して支援する。すでに複数部門で提案スピードの向上、知見共有の効率化、顧客理解の深化などの効果が現れ始めており、生産性を2倍以上に高めることを目指す。
今後はWiz Baseを中核に、社内の生産性向上や営業支援にとどまらず、顧客との接点など多様な領域でのAI活用を進める方針である。みずほは、来るべきエージェンティックAIの時代に向けた研究・開発を継続し、顧客・従業員体験と生産性の飛躍的向上を掲げる。
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