保険手続きの電子交付を実現 日立がペーパーレス化支援サービスを開始
日立製作所は12月19日、生命保険会社と契約者のデジタル接点を強化する「申込時マイページサービス」の提供を開始した。申込時に登録した情報や認証結果を、契約成立後に利用する契約者マイページへシームレスに連携し、契約後のマイページ開設を促進する。第一フロンティア生命保険がファーストユーザーとして導入し、12月21日に稼働を開始した。
本サービスは、申込手続き時に書面で交付していた各種資料や申込書類の控えをオンライン上で電子交付・参照可能にする。これにより、郵送や紙の作成・印刷・保管、管理に伴う負担やコストの軽減に寄与し、保険募集人を含む現場の業務効率化を後押しするとしている。紙資源の消費や輸送に伴う温室効果ガス排出の削減にもつながるほか、契約者側では書類紛失リスクや保管負担の低減により利便性向上が見込める。
また、申込時に任意だった契約者の連絡先の認証確認を行い、アカウントと紐づけることで、生命保険会社と契約者のデジタル接点を確保・強化する。これにより、オンライン上で契約者一人ひとりに合わせたタイムリーな情報提供や、ライフプランに応じた商品提案などのアフターフォローを拡充でき、サービス品質の向上に寄与するという。
背景として、生命保険業界では金融庁の「顧客本位の業務運営に関する原則」に基づく分かりやすい情報提供や、契約後の適切なフォローが求められている一方、契約後マイページの登録・利用率に課題があった。日立製作所は金融分野でのDXの知見とデジタル技術を生かし、保険申込から契約後のマイページ利用までをつなぐ仕組みとして本サービスを開発した。
今後は生命保険各社への展開を進め、デジタル接点強化を通じて業務効率化と契約者本位のサービス提供を支援する方針だ。さらに、本サービスを活用したWEBソリューションプラットフォームの提供を検討し、生命保険以外の業界への展開もめざす。
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