キャッシュレス推進協議会、請求書カード払い協会設立 指針で事業者の行為規制を明確化
キャッシュレス推進協議会は12月26日、B2B取引で広がる請求書カード払い(BIPS)の安全・安心な利用に向け、「請求書カード払い取引ガイドライン」を公表し、運用を担う「請求書カード払い協会」を設立したと発表した。BIPSは、BIPS事業者がバイヤーの委託を受けてサプライヤーへの支払を代行し、バイヤーからキャッシュレス決済で代金を受け取ることで、バイヤーの債務解消手続きを実行するサービスだ。
本サービスに明確な法規制はない一方、立替の貸付け該当性や為替取引該当性が論点となってきた。2024年度の金融審議会「資金決済制度等に関するワーキング・グループ」でも議論され、金融庁は4月2日に「立替サービスの貸金業該当性に関するQ&A」を公表しており、一定の判断材料が示されている。業界内の役割分担の複雑化も踏まえ、協議会は2023年度から関係事業者と議論を重ね、ガイドライン策定を進めてきたという。
ガイドラインはBIPS事業者、アクワイアラ、イシュアを対象に、行為規制を含む遵守事項を定める。主な内容は、BIPS事業者の協会登録義務、バイヤー・サプライヤーの国内限定、申込の真正性確認、取引記録の保存、サプライヤーへの支払手段を銀行振込に限定、反社会的勢力の排除、バイヤーへの担保要求の禁止、適切な情報提供と苦情処理態勢の整備などだ。アクワイアラは未登録のBIPS事業者と加盟店契約を結ばないことや、不当な事業者の契約解除検討が求められる。イシュアはBIPS事業者が倒産等で支払不能となった場合、バイヤーの求めに応じ返金する。
ガイドラインの著作権等は新設の協会に移管され、今後は運用・改訂を担う。協会には運営、ガイドライン、標準化、不正対策、審査の各委員会を設置し、事業者間の対話と課題解決を進める。初期参画は25社で、ジェーシービー、マスターカード・ジャパン、ビザ・ワールドワイド・ジャパン、三井住友カード、三菱UFJニコス、クレディセゾン、PayPayカードなどが名を連ねる。事務局はキャッシュレス推進協議会が担当する。
ガイドラインは6月26日から本格運用する。協会は施行に向け必要な細則の検討を進め、関係事業者の参加を呼びかけている。
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