中国銀行と日立、融資業務でAIエージェント協創開始
中国銀行と日立は2月25日、融資業務におけるAIエージェント活用で、業務プロセスの自律化を実現する協創を開始したと発表した。業務プロセスの分析から判断、最適化までの流れにAIエージェントを適用・連携させ、段階的に人手中心の業務を自律化する。人とAIの協働により、将来的に年間数万時間規模の業務時間削減が可能と試算している。
協創では、融資業務の3領域である「申込・稟議」「契約・実行」「モニタリング」のうち、効果が高いと見込む3つの業務プロセスを起点に検証する。対象は、担当者意見の作成(申込・稟議)、融資実行の事務作業(契約・実行)、モニタリング時の財務分析(モニタリング)だ。これらで人とAIの協働が実現した場合、試算上、少なくとも年間10,000時間以上の業務時間削減を見込む。
担当者意見の作成では、AIエージェントが過去の知見をもとに、事業内容や業界特性、資金使途ごとのリスクや確認論点を整理し、書面作成の自律化をめざす。検討漏れの防止や稟議内容の品質標準化、作業時間の削減に加え、生成した文章案や論点整理の思考プロセスを可視化・共有することで、人財育成やノウハウ承継への貢献も狙う。
また、業務プロセスごとに業務統括エージェントを配置し、配下に複数の実務エージェントを組み合わせて連携させる構想を示した。行内システムの構造化データに加え、稟議の添付資料や事務マニュアルなど非構造化データも活用し、精度と品質の向上を図るという。将来はAIエージェントを拡充し、自律化対象を順次拡大する方針だ。
背景として、金融機関では専門知識やノウハウの承継と、効率化とサービス品質向上の両立が課題となっている。融資業務は人手による判断や書類確認が中心で、業務負荷の増大や属人化による品質のばらつきが指摘され、生成AI活用が進む一方、抜本的解決には自律的にタスクを遂行するAIエージェントが不可欠だとしている。中国銀行は2023年7月から日立の融資DX推進サービスを導入してきた。
日立は、協創で実用性が検証されたAIエージェントを融資DX推進サービスの新機能として追加し、2026年4月から金融機関向けに提供する予定だ。両社は協創を通じ、行員が高付加価値業務に注力できる環境整備と、AIネイティブな金融サービスの実現をめざすとしている。
添付画像一覧













