TISと岡三証券、JICAのデジタル債研究に参画 財投機関で国内初の実証へ
TISと岡三証券は3月19日、JICAが進める「ブロックチェーン技術を活用した資金調達に関する研究・実証実験」の研究パートナーに選定されたと発表した。JICAの資金調達手段におけるブロックチェーン技術の有効性やメリット、デメリットを検証する。財投機関におけるデジタル債発行を想定した実証実験は、一般社団法人日本STO協会調べで国内初という。
プロジェクトでは、JICAによるデジタル債発行を前提に、法制度や発行形態、業務フローを整理する。あわせて、デジタル債の発行が投資家の理解促進や参画意識の醸成につながるかという観点から研究・検証を進める。2026年2月にJICAとTIS、岡三証券の間で業務委託契約を締結しており、5月から実証実験フェーズを開始する。実施期間は2月から6月までで、8月に結果公表を予定する。
役割分担も明確にした。JICAはプロジェクトオーナーとして、法務・決算上の制約確認や内部報告、アイデア検討を担う。TISは共同企業体の代表企業として、STOプラットフォーム「STLINK」を利用したデジタル債発行スキームの実証、投資体験の設計支援、投資家コミュニケーションの実証実験、ブロックチェーン技術の活用可能性の検討を担当する。岡三証券は、法務・決算上の制約に関する助言、デジタル債発行事例の研究、関係者や手続き、契約の整理に加え、サステナビリティボンドでの知見を生かしてSDGs債特有の実務整理や投資家への浸透施策の検討を担う。
今回の取り組みの背景には、開発途上国でSDGsを2030年までに達成するため、年間約4兆ドルの追加投資が必要とされる一方、先進国の財政余力が限られていることがある。こうしたなか、民間企業ではインパクト投資やESG投資などサステナブルファイナンスの取り組みが進み、民間資金の流入が増えている。JICAは、民間資金動員手段の多様化が重要なテーマになっているとして、ブロックチェーン技術が投資家層の拡大やパートナーシップ強化につながる選択肢になり得るとみる。
また、JICAの資金調達にとどまらず、JICA BizやJICA BLUEの応募企業など、JICA以外の主体による資金調達方法としてブロックチェーン技術を活用する可能性についても検討する予定だ。TISと岡三証券は、プロジェクトの成果を踏まえ、デジタル債など新たな金融手法による資本市場の活性化につなげたい考えだ。
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